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国宝臼杵石仏公式ブログ

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保存作業現場公開DAY、臼杵っこガイドも登場

保存作業公開&臼杵っこガイドの説明

保存作業公開&臼杵っこガイドの説明


本日は、「紫外線照射、保存作業現場」の一般公開日でした。
このところ、雨も少なく適度な乾燥が保存作業に適した環境を作ってくれたようです。
紫外線照射の状況も良好。仏像表面の苔類もよく焼け、スムーズに除去が進められました。
さて、今回行われた作業は、仏像表面に付着した苔類の除去で「中間除去」と言われるものです。この前段階として、紫外線照射前に、シダ等の草を剪定しております。今回は、照射により枯死して粉状になった表面の苔類を払う作業が行われました。
枯死した苔を払う作業

枯死した苔を払う作業

写真で見ると、刷毛の当たっている黒い部分が枯れた苔です。払い難い場合は、串で浮かび上がらせてそっと払うそうです。近くから見ているとミリ単位で進める繊細な作業であることが分かります。作業される方も見る方も、そっと息を潜めてしまうような静謐な空間でした。
係員の説明を聞いたお客様からは、「この様な細かい作業が行われていることに驚いた」、「若い方が保存作業に関わっていることに頼もしさを感じる」、等といった感想が聞かれました。
また今日は、臼杵市内の小中学生による石仏案内「臼杵っこガイド」も登場。訪れたお客様に石仏の説明を行いました。
臼杵っこガイドによる説明

臼杵っこガイドによる説明

臼杵っこガイドも除去作業を観察

臼杵っこガイドも除去作業を観察



「文化財の保存」や「郷土文化の承継」が活き活きと展開される、11月最後の土曜日となりました。
臼杵石仏に関わる全てのみなさまに深く感謝いたします。
ありがとうございました!

晩秋の石仏散策~石仏公園から満月寺へ

満月寺

満月寺

穏やかな連休中日、街路樹も渓谷も海辺の通りも、色付く木々が美しいことと思います。

「秋は夕暮れ」とも言いますが、お昼時の参道もなかなかいいものです。

オレンジ色に照るモミジの下をくぐると、気分も明るくなるよう。

陽の当たる参道

陽の当たる参道

 さて、石仏公園を抜けて満月寺へ歩いていくと、仁王像が出迎えてくれます。

薬になると云われ、削り取られた鼻が特徴。頭に生えた草まで枯れて、今日は可笑し味より哀れみを誘われるようです。

仁王像

仁王像

 境内の裏には古い鐘付堂があり、自由に付くことができます。鐘の音は石仏群や参道にも響き渡り、その瞬間に臼杵石仏に居合わせた人々が共有することとなります。写真に残すことはできませんが、心に残るひと時。

 晩秋の休日、お時間がありましたら臼杵石仏で過ごしてみませんか?

鐘付堂

鐘付堂

参道の紅葉~今週末は、晩秋の臼杵路を散策しませんか?

 

色付く参道

色付く参道

小春日和を超える暖かい日が続いていますが、参道は美しく紅葉してきました。

 ホキ石仏第一群から山王山石仏へ向かう道は、アーチのようにモミジが立ち並んでいます。
最近、通る度に黄色・山吹色・朱色・・・と葉っぱの色はバラエティが増えてきたようです。

ホキ石仏第一群から山王山へ

ホキ石仏第一群から山王山へ

 また、石仏公園を眺めると上の方だけ朱く染まったこんもりとした木が目に入ります。
この木は「唐楓」といい、絵本に出てきそうな可愛らしい佇まいで、晩秋の石仏の里の風景を演出してくれます。

可愛らしい唐楓の木

可愛らしい唐楓の木

 

臼杵市内の紅葉スポット、「白馬溪」や「普現寺」の紅葉も進んでおります。

 明日から3連休という方も多いと思いますが、屋外の新鮮な空気の下、晩秋の臼杵路を散策してみませんか?

古園石仏の祈願線香

線香

 

ここ数日さわやかな秋晴れが続き、さらにはgo toトラベルの後押しもあり、臼杵石仏にも大分賑わいが戻って来ました。

そして今朝は早朝にもかかわらず、大日如来像の前にはたくさんのお線香が焚かれていました。

臼杵石仏は朝6時から見学できますので、フェリーなどで朝早く臼杵へ到着したお客様が、最初の訪問地として選んでくださることが多いです。

祈願線香は全部で七種類。

よく選ばれているのは、身体健全、家内安全が書かれたものです。

臼杵石仏へお越しの際は、大日如来様に見守られながら、是非祈願線香を焚いてくださいね。

薬師如来像、薬壺は何処へ?

 

山王山の伝薬師如来像

山王山の伝薬師如来像

臼杵石仏には、数体の薬師如来像があります。
今年はコロナウイルスの関係で、度々紹介してまいりました。

 薬師如来像と言えば、東側に居る(東方浄瑠璃世界に住む仏であることから)、左手に薬壺を持った仏様というイメージが一般的ですね。

 ところが、臼杵石仏の薬師如来像には、肝心の壺が見当たりません。

ホキ石仏第1群第2龕の薬師如来像

ホキ石仏第1群第2龕の薬師如来像

お客様からも度々、なぜかと質問を受けます。
これには、いくつかの理由が考えられます。

 

  • 元々、全ての薬師如来が薬壺を持っているわけではない(制作年代の古いものほど持っていないことが多い)。
  • 薬師如来像と記されているが、そうではない可能性もある(「伝薬師如来」と書かれ、仏像名が確定していないものもある)。
  • 薬壺は仏像とは別個に作られ(材質も別のことも)、壺のみ朽ちたり損傷・滅失したケースも多く見受けられる。
  • 医療が発達していなかった時代、病気治癒を願う人々により持ち去られることも多かった。

 そうは言っても、万能薬が入っているとされる薬壺。
その中には、数百年間の人々の祈りも詰まっているのでしょう。
何だかご利益がありそうで、もし現存していれば、薬師如来像と共に拝んでみたいものです。

 そんな思いで山王山の薬師如来像を観た後、行く参道には季節外れの野イチゴがきらり。
冬を前に山鳥たちの貴重な栄養源になっているようです。
在ったかもしれない壺からこぼれ出たのかもしれませんね。

11月の野イチゴ

11月の野イチゴ

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