臼杵石仏(磨崖仏)
古園石仏大日如来像に代表される臼杵石仏(磨崖仏)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたと言われています。
その規模と、数量において、また彫刻の質の高さにおいて、わが国を代表する石仏群であり、平成7年6月15日には磨崖仏では全国初、彫刻としても九州初の国宝に指定されました。その数は、60余体にもおよび、このうち59体が国宝となりました。
石仏群は4群に分かれ、地名によって、ホキ石仏第1群(堂ヶ迫石仏)、同第2群、山王山石仏、古園石仏と名づけられました。
それぞれに、傑作秀作ぞろいであり、表情豊かな御仏の姿は、みる者の心にやすらぎをあたえてくれます。
また、平成29年には古園石仏群の手前右側の岩壁に刻まれた2体の「金剛力士立像」が国宝に追加指定され、これにより臼杵石仏(磨崖仏)の国宝の数は合計で61体となりました。
※ ホキとは、「がけ」という意味の地名です。
臼杵石仏解説動画
ホキ石仏第二群(ほきせきぶつだいにぐん)
2龕(がん)からなり、第1龕には阿弥陀三尊像が見事な技術で掘り出され、その堂々とした軀体、中尊と両脇侍のそれぞれに異なった豊かな表情など、まことに見事な磨崖仏です。第2龕は、「九品の弥陀」と呼ばれ、比較的小さな仏像が彫られています。
ホキ石仏第一群(ほきせきぶつだいいちぐん)
平安時代から鎌倉期に至るまでの磨崖仏が20数体並び、まさに壮観です。4つの龕からなり、第1龕は、如来坐像3体と菩薩立像2体、第2龕は阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像、如来坐像の3体、第3龕は大日如来像ほか4体、第4龕は地蔵菩薩半跏像並びに十王像の11体です。いずれも秀作ぞろいです。
山王山石仏(さんのうさんせきぶつ)
中央に丈六の如来像と左右に脇侍の様に如来を刻む三体の如来像で構成されています。仏像の顔は輪郭が丸く、目鼻はこじんまりとして童児のそれをおもわせ、今にも語りかけるような口もとなどは、邪気のない純真無垢な童顔そのものです。通称「隠れ地蔵」と言われています。
古園石仏(ふるぞのせきぶつ)
古園石仏は、大日如来像を中心とする曼荼羅を構成し整然とした陣容をそなえる、臼杵石仏の中心的存在。通称古園十三仏とも言われています。
特に中尊の大日如来は日本の石仏の中でも最高傑作の一つといえます。
- 高く秀でた眉、切れ長の伏し目に端正な顔、ほのかに紅を刷いた唇にあたたかい御心が通う-
きわめて端厳な相好ですが、ゆたかな両頬や、ややとがった二十顎、切れ長の伏し目など幽玄で神秘的な雰囲気がただよいます。
制作年代は、平安後期を下らないと言われています。崩壊破損が甚だしかったのですが、修復工事(昭和33〜)により平成5年8月25日には中尊大日如来の仏頭が復位され、昔日の荘厳な姿に復旧しました。
古園石仏解説動画
石仏周辺見どころスポット
- 臼杵石仏見どころマップをダウンロードできます。臼杵石仏見どころマップ(PDF:1.4MB)
- 英語版もございます。Around the Stone Buddhas(PDF:1.4MB)
宝篋印塔(ほうきょういんとう)
満月寺の北端に立ち、通称日吉塔と呼ばれています。台座からの総高4.2mで鎌倉後期の作と言われています。日本国内では最高の高さを誇ります。
満月寺(まんがつじ)
伝説によるとこのお寺は、臼杵石仏の縁起に欠かせない真名野長者(まなのちょうじゃ)の発願により三重町内山蓮城寺を開いた蓮城法師によって創建されたといいます。
仁王像(におうぞう)
満月寺境内にあり、膝から下が土に埋もれ、力強い作風でユーモラスな表情をしています。
蓮城法師像(れんじょうほうしぞう)
真名野長者のもとで石仏を彫ったといわれる人物の像です。
石の肖像としては、最古のものと言われています。
真名野長者夫妻像(まなのちょうじゃふさいぞう)
石仏を造らせた人物といわれています。室町期作。
連城法師像と同様、こちらも石の肖像としては最古のものと言われています。
石仏公園ハス畑(せきぶつこうえんはすばたけ)
石仏公園には四季折々の花が咲いています。なかでも7月から8月には大輪のハスの花が咲き誇りその様子はさながら極楽浄土のようです。
昨年(2019年7月末)に撮影したドローン動画です。
化粧の井戸(けしょうのいど)
伝説によると顔にアザのあった玉津姫が、この井戸で顔を洗ったところアザがきれいにとれ、美人になったと言われている井戸です。