金剛力士像がきれいになりました
かわいそうなくらいに蔦が巻き付いていた金剛力士像が、やっとすっきりきれいになりました。
今月9日から文化財保存活用研究所の方々が剪定作業を行ってくれていました。
やはり国宝ともなると、ただただ「草を取る」という作業も一苦労。
脚立を立てかけて手で引っこ抜く!など簡単にはいきません。
関係者・関係部署と協議し、早くからスケージュールを組んで鉄筋の足場を組み、岩肌を傷つけないように時間をかけて丁寧に進めていきます。
今日やっとその作業も終わり、久しぶりにきれいな姿の金剛力士像を見ることができました。
冷たい岩にじっとくっついて作業をするのもとても寒くて大変です。いつもありがとうございます!
心なしか金剛力士像もなんだか嬉しそうに見えます。笑
蔦を取る前のBEFORE写真↓
蔦を取った後のAFTER写真↓
何という鳥か分かりますか?
石仏入口周辺にここ最近、小さなかわいい鳥が遊びに来てくれています。
写真は今朝9時頃です。
おなかの部分はオレンジで、石垣の苔と同化していて、わざわざ見なければ気が付かないような大きさです。川に泳いでいるハヤという魚を狙っているようです。
この鳥はカワセミといい、鮮やかな青い背中とおなかのオレンジ、長いくちばしが特徴で、きれいな水辺に生息すると言われています。とてもすばしっこくて、水面ギリギリを飛び、シャッターチャンスが難しい所です。
スマホのズームでは難しいので、望遠レンズカメラをお持ちの方、是非写真を撮りにいらしてください。カワセミが必ずいるとは限りませんが、一日のうちに、何時間も川沿いで魚を狙っています。
タイミングが合えば、素敵な写真が撮れそうですよ♪
保存作業も本番、本除去が行われました
11月28日に紫外線照射と保存作業の様子(中間除去)をお伝えしましたが、今週、いよいよ「本除去」に入りました。
「本除去」とは、岩肌の深い部分に残る着生物を取り除く作業です。
これは、前回の「中間除去」(第1回目の紫外線照射と除去)により、石仏表面の苔類等を除去した後、2回目の紫外線照射により深部にまで伸びた部分を枯らし、より慎重に付着物を取り除く作業となります。
作業の様子を見ると、前回は茶褐色や深緑色の部分がありましたが、乾燥して白っぽい岩肌に変化していることが分かります。
この後、苔類等の再着生を遅らせるために「撥水剤」を塗り込み、本年度の作業は終了となります。
寒い中、一日中岩肌の傍で白い息を吐きながら作業をされるのは、大変なことだと思います。作業をされるみなさまには、大変感謝しております。ありがとうございます。風邪を引きませんように、石仏とともに祈っております!
保存作業現場公開DAY、臼杵っこガイドも登場
本日は、「紫外線照射、保存作業現場」の一般公開日でした。
「文化財の保存」や「郷土文化の承継」が活き活きと展開される、11月最後の土曜日となりました。
晩秋の石仏散策~石仏公園から満月寺へ
穏やかな連休中日、街路樹も渓谷も海辺の通りも、色付く木々が美しいことと思います。
「秋は夕暮れ」とも言いますが、お昼時の参道もなかなかいいものです。
オレンジ色に照るモミジの下をくぐると、気分も明るくなるよう。
さて、石仏公園を抜けて満月寺へ歩いていくと、仁王像が出迎えてくれます。
薬になると云われ、削り取られた鼻が特徴。頭に生えた草まで枯れて、今日は可笑し味より哀れみを誘われるようです。
境内の裏には古い鐘付堂があり、自由に付くことができます。鐘の音は石仏群や参道にも響き渡り、その瞬間に臼杵石仏に居合わせた人々が共有することとなります。写真に残すことはできませんが、心に残るひと時。
晩秋の休日、お時間がありましたら臼杵石仏で過ごしてみませんか?