裳縣座の穴、その中の穴
ホキ石仏第1群によく見られる形態なのですが、仏像の台座(裳縣座)に穴が開いた部分があります。
これは、経典を納めるための穴とされています。
先日、お客様から「穴の中にさらに小さな無数の穴が空いているのはなぜですか?」という質問を受けました。
確かに、ハチの巣状に小さな穴が見られます。
近付いて見ると、台座の側面部分にも同じような現象を見付けました。
この謎の答えは、仏体の土台となる地層の性質が位置によって、異なることにあります。
臼杵石仏は、水分を多く含む柔らかい地層に彫られています。仏体の下方ほどその性質が強くなるため、風化による影響が顕著に表れるようです。
また、覆屋がなかった時代には、雨風に直接さらされ水分が下へと流れていったことも影響していることでしょう。
造立当時は、なめらかな美肌で鎮座していたであろう仏様。
しかし、無数の穴はいくつもの時代を越えてずっとこの台座の上に在り続けた証でもあるのですから、これも味わい深いものです。
謹賀新年 2021
新年明けましておめでとうございます。
みなさまにおかれましては、心穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年度は、薬師如来像前の「疫病退散線香」の設置等、コロナ禍にあって臼杵石仏が貢献できる事を試行錯誤して参りました。
また、足を運ばれるみなさまには感染拡大防止の対策にご協力いただき、感謝しております。
本年は、世界中で模索される「新しい日常」が臼杵石仏にとってより相応しい形で実現できますよう、努めて参ります。
みなさまにとって心穏やかな、そして強く明るい希望に満ちた年となりますよう、仏の里よりお祈り申し上げます。
年の瀬の「ひゃくすた」が開催されました
本日は、年末ver.ひゃくすたが開催されました。
お正月にぴったりの根菜や新鮮な魚介類がずらりと並び、年の瀬ムード満載です!
4キロの立派な鰆も登場、お刺身にすると何人分になるのでしょう?
地元産の大きなサザエ、豪華ですね!
今が旬のメジナ、今夜の食卓にどんな一皿で登場するのかな?
リース型のしめ飾りやオーガニック素材のお菓子、寒い中でふうふう食べたい焼き芋など、目にも楽しい朝市となりました。
また、マイバッグ持参で、マスク&咳エチケット等コロナ対策もきっちり取って、来られるみなさまの様子には、「ひゃくすた」の揺るぎなく明るい力を感じさせられるものです。
出店される農家のみなさま、お客様、本年も臼杵石仏に豊かな日曜の朝を届けていただきありがとうございました。
みなさまが、心穏やかで楽しい年末年始を迎えられることを仏の里より願っております!
白い朝、師走の臼杵石仏
このところ、寒い日が続いております。
石仏の里は、今日も白い朝となりました。
霜の降りた田んぼに、霧のかかった橋。
こんもりと紅葉していた石仏公園の唐楓も葉が落ちてきました。
すっかり冬の朝です。
臼杵石仏では、夜間から早朝にかけて石仏群のシャッターを降ろし、温度管理を行っております。低温予報が出される寒い期間は、石仏表面の劣化が進み易く特に注意が必要となります。
さて、今年も残すところ1週間ほどになりました。
静かな年末、みなさまが穏やかにお過ごしになることを仏の里より願っております。
シャッターが閉まっている石仏
冬本番、最近めっきり冷えてきましたね。
写真はシャッターが閉まった状態の石仏。
国宝臼杵石仏では、石仏表面の凍結防止・霜対策のために外気が0℃を下回る夜間はシャッタ-を閉めて温度管理を行っています。
岩肌が凍ってしまうと、それが解けるときに、岩を一緒に割ったり傷つけたり、国宝の指定を頂いている大事な石仏群にダメージを与えてしまいます。
少しでも石仏を劣化させないよう、今の状態のまま未来へ残していく為に、数年かけて石仏の屋根の改修工事を行い、シャッターを取り付けました。
ここ数日は、朝、太陽が出始めても0℃を上回らないことも多く、時間帯によってはシャッターが閉まったままの状態で石仏を見学して頂く場合もあります。
写真の状態の石仏群はとてもレアです。
シャッターが閉まっている場合は、案内表示をしていますので、その指示に従ってドアを開けて中に入ってご見学ください。
外の景色が完全に遮断され、なんとも不思議な気分。
美術館の中にいるような、普段とはまた違った雰囲気を味わえます。
営業時間を短縮している期間の朝8:30~9:00頃まではこの状態の石仏を見学できますので、お時間がありましたら、是非違った雰囲気の石仏を見にお越しくださいね。