釈迦如来めぐり~人間味のある仏様
宝篋印塔~満月寺周辺の石塔巡り
今回は満月寺周辺からもう一つ、「宝篋印塔」をご紹介します。
造られたのは、13世紀後半、五重塔より少し古い塔です。満月寺の守護社である日吉社に因んで、「日吉塔」という通称を持っています。
中央(塔身部)の空洞には、経典が納められていたと考えられています。扉の跡や朱と白に塗られた枠は、お寺に似つかわしい雰囲気を漂わせています。
台石(下の部分)にある二つの格挟間に彫られた蓮の花の形は、五重塔の格挟間とよく似ているそうですが、風化してよく見えません。(五重塔も梵字の下の花ははっきり見えますが、格挟間の花はぼやけています。)。
高さは4.44mあり、この時期では日本でも最大級の高さとされ、満月寺の力が大きさが伺えます。
石の材質は臼杵石仏と同じ凝灰岩。そのせいか、風合いや佇まいは、辺りの風景とよく馴染んでいるように感じられます。
臼杵石仏周辺を散策していると、いろんな場所で石塔や石碑、石像に出会います。
この地に豊かな石の文化が根付いていることをしみじみと感じられるものです。
石造りの五重塔~満月寺
満月寺の境内に向かって右側に立つ五重塔。
石仏各群の仏様と同じ凝灰岩でできた石造りの古い塔です。
正和4年と刻まれていることから1315年(鎌倉時代後期)に造られたことが分かります。
以前は上部が欠損していましたが、深田川修復工事の調査の際に一部が発見され、昭和51年に復元されました。
近付いて見ると、繋ぎ目のような跡が分かります。
五重塔のルーツは、インドで造られたストゥーパと呼ばれるお釈迦様のお墓にあります。これは、大きなドーム型をしているのですが、中国を経て日本に伝わる過程で形を変え、5つの屋根を持つ塔となりました。5つの層は下から「地・水・火・風・天」という仏教の宇宙観を表しています。
日本には、約80もの五重塔があります。国宝にも指定された、法隆寺の五重塔は有名ですね。
古くからこの地に静かに建つ満月寺の小さな五重塔、座って眺めると基礎石(下の部分)には蓮の花が彫られており、なかなか味わい深いものです。
石仏公園を散策の際は、ぜひご覧になってみませんか?
仏の里の蓮、それぞれの護り主
臼杵石仏の静かな初夏の午後。
そんな中、蓮たちはすくすくと成長しております。
蛙の鳴き声に交じって、息吹が聞こえてきそうなほど。
満月寺の奥にある蓮池は、葉の数も増えてきました。池に映る木漏れ日が眩しく、周囲には宝篋印塔や鐘付堂もあり、風情があります。
さて、池の隣には可愛らしい3体の仏様が立っています。
まるで、蓮の成長を見護っているように。
石仏の蓮畑も順調に育っています。
葉の間からぴょんと伸びた幼い茎も目立つようになりました。
こちらを見護ってくれているのが、田の神様。
蓮畑に向いて、ちょこんと立っています。愛嬌のある表情が何とも印象的です。
それぞれの護り主様、今年も仏の里の夏をよろしくお願いしますね!
GW最終日は雨ですね
ゴールデンウィーク最終日、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
今日はあいにくの雨で、昨日までのにぎやかさとは打って変わって、少し寂しい臼杵石仏です。
午後からは少し晴れ間が見えるといいなと思うのですが。
写真は、雨の石仏風景です。
と言っても石仏は写っていませんが、若々しい緑色の紅葉と鳥居のしめ縄に落ちる雫がきれいだったので撮ってみました!
また明日から仕事再開という方が多いのではないでしょうか。
コロナに気を付けて、手洗いうがいをしっかりしながら、また明日から頑張りましょうね^^