御朱印の上でも季節は秋へ~夏限定の御朱印「阿弥陀如来」は本日まで
この数日、真夏が戻ってきたような暑さが続いておりますが、8月も今日で終わり。
季節限定御朱印の夏Ver.「阿弥陀如来」も、本日までの取り扱いとなります。
明日からは、秋Ver.「観音菩薩」です。
昨年とは、少しデザインも変わっておりますので、お楽しみに!
御朱印の上でも季節は、秋へ。
朝顔と蓮の背景が夏らしい阿弥陀様の御朱印、もう見られなくなるのは寂しいものです。
しかし、この阿弥陀様は「美仏総選挙」にもエントリーしておりますので、秋からもよろしくお願いします。
静かに煌めく石仏の夜
先日お伝えしたように、「国宝臼杵石仏火まつり」は、感染症拡大防止のため中止とさせていただきました。
火まつりは、地元に伝わる「虫送り」・「豊作祈願」・「地蔵祭り」を発展させたものです。千本の松明で深田の里を彩り、石仏群の前に篝火を灯し、「火に映える石仏」・「石仏の里の神秘さ」を創出します。
開催日は毎年8月の最終土曜日、臼杵の夏の終わりの風物詩として親しまれております。
昨夜は、関係者のみによる、石仏供養及び疫病退散を願う「火まつり供養法要」と、五穀豊穣を願う地元の行事として、一部に松明が灯されました。
この時期にしては珍しく多くの星が夜空を彩り、いつもより少ない祭りの火を補ってくれているようでした。
この光景を直接ご覧いただけないことが残念ですが、みなさまが心穏やかな時を過ごされますよう、晩夏の石仏より祈っております。
なお、この模様は9/15(水)12時より、うすき市民チャンネル「うすき大好き!」の中で放送されますので、お楽しみに!。
臼杵石仏?臼杵磨崖仏?正しいのはどっち?
臼杵市民の方には「臼杵石仏」として有名な、臼杵の大事な国の宝。
全国各地から来られるお客様の中には「臼杵磨崖仏を見に来ました」とおっしゃる方も非常に多いです。
「臼杵石仏」とインターネットで調べてみても、wikipediaには「臼杵磨崖仏」と出てきて、何がなんだかさっぱり。
臼杵石仏と臼杵磨崖仏…。
みなさんはこの違い、分かりますか?
臼杵市民・大分県民の方は、身近にあるからこそ気にしたことがない、という方が多いのではないでしょうか?
果たしてどちらが正しいのでしょう?
正解は…
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どちらも正しい!です。
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まず名詞としての「石仏」と「磨崖仏」の違いから。
石仏(せきぶつ)とは、漢字の通り「石に彫られた仏像」のことで、古くから僧侶や権力者によって石や岩を彫り、様々なところでつくられてきました。
石に彫られた仏像であれば、サイズや形など特に決まりもなく、広い範囲で石仏と呼ばれています。
彫った仏像を祀ってお参りしたり、信仰の為にお寺や神社など、昔から人の集まるところに設置されることが多いようです。
日本人にはお馴染みの「お地蔵さん」もこの石仏の一種です。
臼杵石仏蓮畑にある、笑顔が素敵なこちら↑の仏像は、どこかで彫られたのちにここに設置されています。
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一方、磨崖仏(まがいぶつ)とは、自然界にある岩壁や崖に直接彫り込まれた仏像を指します。
自然界にあるため、屋根や囲いで保護することはありますが、基本的には屋外に彫られています。
さらに、仏像の背面は岩壁にくっついているため、その場所から動かすことはできません。
誰が何のために彫ったのかが分からないことが多いのですが、数人から数百人の僧侶などが雨風に打たれながら、修行のために彫ったとされることが一般的なようです。
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石仏と磨崖仏の違いが分かったところで、臼杵の石仏を見てみましょう。
臼杵石仏は自然界の岩壁に彫られていますので、動かすことはできません。
よって必然的に磨崖仏となります。
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それでは続いて、臼杵石仏と臼杵磨崖仏についてです。
上にも書きましたが、呼び方としてはどちらも正解です。
但し、違いはあります。
臼杵石仏は観光施設として、周辺の土地などもすべて含んだ名称で、臼杵磨崖仏は国宝として文化庁に登録されている、仏像を指す名称となります。
文化庁への登録は、
【名称】
臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)
【文化財部類】
国宝・重要文化財(美術品)
【分類】
彫刻
【指定番号】
121
という分類で登録されています。
国宝登録は、壁に彫られた61体の仏像本体のみです。
もしお時間があったら、文化庁のページで国宝などを検索してみるとおもしろいかもしれませんよ^^
第3のハート
石仏公園にはいくつかのハートが描かれています。
古園石仏から見渡すと見えるのですが、いくつ見えますか?
正解は3つ。
従来の「ハートの小径」と「緑のハート」に加え、最近第3のハートが仲間入りしました。「茶色のハート」。
左方向にある「う」の隣です。
初めに造られた「ハートの小径」は最も大きいのですが横を向いており、「う♡プロジェクト」をご存じない方には、意外と見えてこないようでした。
2番目の「緑のハート」は色が鮮やかなことと、縦向きなこと等から発見率は高め。
第3のハートの運命は如何に?
さて、蝉時雨に混じる虫の声がだんだん濃厚になってきました。
照り付ける日差しは強いけれど、見上げると青く高く澄んだ空が広がっています。
足下には朱い彼岸花。
8月もあとわずか。
今年も火まつりはありませんが、石仏には秋は近付いてきております。
お盆に観る三世仏パラドックス
今年もお盆がやってきました。
ご先祖様や親しかった故人を忍び、あの世での冥福を祈る大切な時間。
みなさま、どのように過ごされていますか?
仏教では、ご先祖様がいる世界(亡くなった後の世界)は、「未来」とされます。
今、生きている世界が現在。生まれる前は過去。
そして、「過去」・「現在」・「未来」に対応する仏様を「三世仏」といいます。過去仏を「阿弥陀如来」、現世仏を「釈迦如来」、未来仏を「弥勒菩薩」とするのが代表的なパターンです。
しかし、弥勒菩薩がいない場合は、過去仏を「薬師如来」、現世仏を「釈迦如来」、未来仏を「阿弥陀如来」とするなど、様々な組み合わせがみられます。
臼杵石仏では、ホキ石仏第1群に同じ高さの如来像が3体並ぶ「如来三尊像」という形式が見られます。「三世仏」を思い描きながら観るのにふさわしい場所です。
第1龕では向かって左から過去仏の薬師如来像、続いて現世仏の釈迦如来像、右に未来仏の阿弥陀如来像、とちょうど時間軸に沿って仏様を見ることができます。
懐かしい故人を想う時、何となく過ぎ去った「過去」をイメージしますが、その故人は未来である死後の世界(極楽浄土)にいる・・・、不思議な感覚です。
未来仏(阿弥陀如来様)の前に立ち、現世にいる者が過去に生きた人の冥福を祈る、ということ。
お盆の三世仏パラドックス?でしょうか?