田植えが始まりました~仏に見護られながら夏がやって来ます
朝から夏の気配が濃い中、参道を進むにつれ蒸し暑さも遠のいていくようです。仄暗い緑の陰や山鳥の声のせいでしょうか?
そんな中、微笑みをたたえて現れるのが山王山の仏さま。
風景によく溶け込んで見えるのは、地元の人が彫ったとされるからでしょうか?(山王山以外の石仏は都から来た仏師の作とされています。)
この土地に息づく草花や動物、神社の祭り、といったほのぼのとした風物詩を愛着を持って見護っていらっしゃる心強い仏さま。
さて、古園石仏へ進み公園を見渡すと、水田に田植え機が動いていました。
これから青田を経て黄金色の稲穂がたなびくまで、変化する畑の様子はどれも美しい仏の里の一景です。
タイサンボクの白い花はお釈迦様の微笑み?
ホキ石仏第2群へ向かっていると、参道の大木が白い花を咲かせています。
この時期、お客さまから「何の木ですか?」と度々尋ねられます。
これは「泰山木(タイサンボク)、モクレン科モクレン属、学名:Magnolia grandiflora」です。そういえば、木蓮に似ていますね。
参道にあるこの大木は、1967年、臼杵市とスリランカ中部の仏教都市キャンディー市が姉妹都市提携を結ぶ際に記念植樹として植えられました。
キャンディー市は仏教の聖地の一つとして現在でも多くの巡礼者が訪れ、また歴史的建造物も多いことから街全体が世界遺産に登録されています。中でもお釈迦様の歯を祀った「仏歯寺」は代表的な仏教寺院です。
さて、6月の空に浮かぶ白い花は、優しく目に映ります。お釈迦様が白い歯を
臼杵石仏には数名のお釈迦様がおられますが、この花のイメージに近い方を探してみました。
行きついたのは、ホキ石仏第1群第3龕のお釈迦様。
歯は見えないけれど、凛としたお顔と小さく開いたお口が印象的です。釈迦の微笑みでしょうか?
祈願線香の選び方は様々、祈りの形も様々
梅雨を前に、気持ちの良い晴れ間が続いています。
古園石仏の高台でひと息つくと、そよ風が心地よく肌を撫でてくれるようです。
さて、臼杵石仏には海外からのお客様も多くいらっしゃいます。
いろいろな国のお客様が来られた日は、古園石仏に上げられた祈願線香の種類もバラエティに富んでいるようです。
臼杵石仏では6種類の祈願線香をご用意しております(「身体健全」・「家内安全」・「商売繁盛」・「就職成就」・「良縁結願」・「学業成就」・「子宝安産」)。
国内のお客様は、「身体健全」を選ぶ方が圧倒的に多いようです。
健康があれば、心も整い平穏に過ごすことが出来るし、何かを成し遂げるにも気力・体力が肝心、という「健康第一」という考え方ですね。
国によっては「経済的に豊かであれば、治安がよく衛生的に安全な場所に住むことができ、医療や教育も不足なく受けられ、人生が充実する」、という考え方もあるようで、「商売繁盛」が並ぶ日もあります。
また、「家族や友人の幸せが自身の幸せにも繋がる」と考える地域も多いようで、「家内安全」が一番人気の日も。
線香の選び方は様々ですが、立てた後は手を合わせて仏さまにお祈りする、というスタイルは同じです。
「仏さまに祈る」、という場面で特に印象深かった海外のお客様がいます。ブータンからの若いお二人で、ほうきを手にバスから下り、各群を掃き清め、持参したお菓子をお供えし、両膝を付いてお祈りされていました。
そこには、「願い事」を超えた仏さまへの感謝の心で満ちた空間が広がっているようでした。
臼杵石仏の仏様は、世界中の方々の想いを広い心でお聞きになっていることでしょう。
みなさま、形式にこだわらず馴染み易い方法で仏様とお会いになって下さいね。
今朝、ホキ2群手前のタイサンボクの木に花が咲いていました。空に浮かぶ大きな白い花。
タイサンボクは臼杵市とスリランカ中部の仏教都市「キャンディー市」が姉妹都市提携を結ぶ際に植えられた記念樹です。仏様に祈るという共通の心を通して、多くの人が繋がっていることをあらためて感じさせられました。
雨に心も潤う?緑のハート
久々のまとまった雨に、参道内も公園も草木の呼吸が聞こえるように潤っています。
恵みの雨、蓮畑や田んぼも心待ちにしていたことでしょう。
さて、石仏公園から眺めるハートの小径もすっかり緑色。
横向きの大きな「緑のハート」が見えるでしょうか?
緑のハートには、「穏やかさ」・「新しい出会い」・「平和」などの意味があるそうですよ。目に優しいグリーンで心にも大きなハートを描いてみてはいかがでしょう?
雨の朝ですが、祈願線香が3本立っていました。
大日如来さま、本日もみなさまのお気持ちを受け止め、聞いておられるようです。大きなハートで。
新緑と増長天~5/23(木)の特別祈願法要のご案内
古園石仏群の向かって左端にいらっしゃる増長天立像。
(古園石仏では「伝増長天」とされています。「伝」とは言い伝えによると、推定、という意味です)。
じっくり対面されたことはありますか?
この仏像は、四天王の一人で南方を護る神です。
語源は、サンスクリット語の「ビルーダカ」、音訳は毘楼勒叉(びるろくしゃ)。その意味は「発芽し始めた穀物」。五穀豊穣の神であり、その旺盛な成長力から仏の世界を護るため、「増長天」と訳されたそうです。
高台の心地よい風の中で向かい合うと、新緑の季節に相応しい仏像のように感じられます。哀れにも欠けてしまったお顔すら、頼もしいような。
これから迎える田植えや蓮畑の成長を見護っていて下さいね。
みなさま、に5/23(木)は特別祈願法要が開催されます。
この機会に、古園石仏群向かって左端の「増長天」さまにお会いしてみませんか?
特別祈願法要
【日時】令和6年5月23日(木)11:00~(約30分間)
【場所】国宝臼杵石仏(古園石仏)
【料 金】無料 ※市外の方は拝観料が必要です。
【問合先】(一社)臼杵市観光協会 ℡.0972-64-7130