春のお彼岸を前に、仏の里に菜種梅雨
暖かな雨が降る金曜の午後。
菜の花の群生が一段と鮮やかに染まっていくようです。
満月寺の方を眺めると、橋のたもとに続く黄色い道。
川面に映る姿すら、明るく咲いているようです。
明日の彼岸入りの舞台作りのようにやって来た菜種梅雨。
今年の春のお彼岸は、3/18~3/24です。
中日(春分の日)は、この世とあの世が最も近づく日です。太陽が真東から昇り真西に沈むことから、三途の川を挟んで東側にある此岸と西側にある彼岸を結ぶ直線距離が最も短くなることから、そのように考えられています。
臼杵石仏では、最も西に位置するホキ石仏第2群の九本の弥陀に朝日が射すという構造が見られます。特に九品仏の中央の少し大きな阿弥陀様のお顔が明るく照らされます。
みなさま、今週末はご先祖様や親しかった友人を想いながら、菜の花が明るく染める臼杵石仏を巡ってみませんか?
参道から春告げ山野草、サツマイナモリ
春になると、参道の竹藪に姿を見せる小さな白い花、サツマイナモリ。暖かい地方に咲く山野草です。陽の当らない湿った場所に咲くのですが、それだけに純白さが印象的です。
今年は、ホキ石仏第1群から山王山石仏へ向かう途中の竹藪に咲いていました。ガクの部分の暗い赤が、臼杵石仏に施されたベンガラの赤を彷彿とさせられます。
春の参道に似つかわしい山野草、山王山の如来様もご覧になっているでしょうか?
梅や桜と同時に、足下にも小さな春が深まってきました。
バラエティに富んだ3月の「ひゃくすた」
春の陽射しが明るく降り注ぐ石仏公園で、3月の「ひゃくすた」が開催されました。ご家族で、お友達と、ワンちゃんも一緒に、とたくさんの方で賑わっていました。
春にんじんや青々した葉物野菜、掘りたてのジャガイモにヤーコン等、様々な春の恵みが並び、見ているだけで栄養が摂れそう。
そうした中、甘くスパイシーな香りが漂うブースがあり、近づくと「スリランカカレー」とあります。
スリランカには、「アーユルヴェーダ」という、自然と調和しながら病気を予防し、心身のバランスを取る考え方があり、食生活で取り入れられているそうです。
自然に優しいほんまもん野菜とスパイスという植物の薬効を使ったカレーも、その一つですね。早速、朝ごはんにしている方もいましたよ。
臼杵市はスリランカのキャンディ市と姉妹都市提携を結んでおり、石仏参道には記念植樹として「タイサンボク」の木が植えられています。仏教国スリランカと仏の里である石仏、そして「ひゃくすた」のスリランカカレー、また一つ関わりが深まったようですね。
他にも、ほんまもん野菜を使ったキンパやチヂミ、色鮮やかなちらし寿司が並ぶブースもあり、バラエティに富んだ朝市でした。
みなさま、来月の第一日曜はオーガニック朝市「ひゃくすた」に遊びにきてみませんか?
暖かな週末、今に蘇った臼杵の春文化を感じてみませんか?
お経で迎えてくれる有り難い如来様トリオ
こちらから手を合わせる前に、仏様の方からお経を唱えてくれているような、有り難い場所があります。
ホキ石仏第1群第1龕、3人の如来様
寒の戻りの冷たい夕方、改めて向かい合うと、薬師如来様の頬がほんのり上気しているように見えました。一心に祈っていらっしゃるような。
恐縮してしまうと同時に謙虚な気持ちにさせられる、如来様トリオ。
「いつもありがとうございます」、と感謝の気持ちで通ると、心にぽっと明かりが灯るようです。
グループとして、独特の魅力を放つ石仏。
みなさま、龕ごとの世界観を味わってみませんか?