MENU

国宝臼杵石仏公式ブログ

記事アーカイブ:

参道から春告げ山野草、サツマイナモリ

参道に春を告げる山野草~サツマイナモリ

参道に春を告げる山野草~サツマイナモリ

 春になると、参道の竹藪に姿を見せる小さな白い花、サツマイナモリ。暖かい地方に咲く山野草です。陽の当らない湿った場所に咲くのですが、それだけに純白さが印象的です。
今年は、ホキ石仏第1群から山王山石仏へ向かう途中の竹藪に咲いていました。ガクの部分の暗い赤が、臼杵石仏に施されたベンガラの赤を彷彿とさせられます。

春の参道に似つかわしい山野草、山王山の如来様もご覧になっているでしょうか?
梅や桜と同時に、足下にも小さな春が深まってきました。

菜の花が彩る古園石仏を下る階段

菜の花が彩る古園石仏を下る階段

 

バラエティに富んだ3月の「ひゃくすた」

春の陽射しが明るく降り注ぐ石仏公園で、3月の「ひゃくすた」が開催されました。ご家族で、お友達と、ワンちゃんも一緒に、とたくさんの方で賑わっていました。

 春にんじんや青々した葉物野菜、掘りたてのジャガイモにヤーコン等、様々な春の恵みが並び、見ているだけで栄養が摂れそう。

ひゃくすた特製「スリランカカレー」

ひゃくすた特製「スリランカカレー」

そうした中、甘くスパイシーな香りが漂うブースがあり、近づくと「スリランカカレー」とあります。
スリランカには、「アーユルヴェーダ」という、自然と調和しながら病気を予防し、心身のバランスを取る考え方があり、食生活で取り入れられているそうです。
自然に優しいほんまもん野菜とスパイスという植物の薬効を使ったカレーも、その一つですね。早速、朝ごはんにしている方もいましたよ。

臼杵市はスリランカのキャンディ市と姉妹都市提携を結んでおり、石仏参道には記念植樹として「タイサンボク」の木が植えられています。仏教国スリランカと仏の里である石仏、そして「ひゃくすた」のスリランカカレー、また一つ関わりが深まったようですね。

参道の「タイサンボク」の木

参道の「タイサンボク」の木

 他にも、ほんまもん野菜を使ったキンパやチヂミ、色鮮やかなちらし寿司が並ぶブースもあり、バラエティに富んだ朝市でした。

キンパとチヂミ

キンパとチヂミ

春らしい「ちらし寿司」

春らしい「ちらし寿司」

 みなさま、来月の第一日曜はオーガニック朝市「ひゃくすた」に遊びにきてみませんか?

暖かな週末、今に蘇った臼杵の春文化を感じてみませんか?

小川も緩む

小川も緩む

暖かな土曜の朝、石仏を流れる小川も緩み春めいて見えます。
川べりを黄色く彩る菜の花も少しずつ広がってきたような。

こんな日は一体の仏様と向き合う時間が自然と伸びて、余裕のある石仏めぐりとなるものです。お客様も思い思いの場所で足を留め、ゆっくりと鑑賞されているようです。
さて、市内中心部で開催中の「うすき雛めぐり」。
開催中~3/12(日)
スタンプラリーのスタンプは石仏チケット売り場や売店も対象施設となっております。
台紙(パンフレット)はチケット売り場前にご用意しておりますので、町中に行く前に押して行かれませんか?
「うすき雛」は、江戸時代、天保の改革による質素倹約を重んじられる中で誕生した紙のお雛様です。当時の人々も和紙を選んだりお顔を書いたり、と楽しみながら作ったことでしょう。
質素だからこそ多くの家庭に飾ることができた、紙雛。
城下町臼杵の春、豊かな文化が在ったのですね。
みなさま、今週末は今に蘇った臼杵城下の親しみやすい「春」を体感してみませんか?

お経で迎えてくれる有り難い如来様トリオ

お経で迎えてくれる有り難い如来様トリオ

お経を唱えながら待ってくれているようなホキ石仏第1群第1龕

 こちらから手を合わせる前に、仏様の方からお経を唱えてくれているような、有り難い場所があります。

 ホキ石仏第1群第1龕、3人の如来様

 寒の戻りの冷たい夕方、改めて向かい合うと、薬師如来様の頬がほんのり上気しているように見えました。一心に祈っていらっしゃるような。

頬がぽっと赤く見えた薬師如来様

頬がぽっと赤く見えた薬師如来様

恐縮してしまうと同時に謙虚な気持ちにさせられる、如来様トリオ。
「いつもありがとうございます」、と感謝の気持ちで通ると、心にぽっと明かりが灯るようです。

グループとして、独特の魅力を放つ石仏。
みなさま、龕ごとの世界観を味わってみませんか?

阿弥陀如来に文字?

ホキ2群第1龕阿弥陀如来坐像

ホキ2群第1龕阿弥陀如来坐像

 先日、ホキ石仏第2群第1龕で保存作業現場が公開されました。
今回は、2回目の紫外線照射によって枯らした着生物を取り除く「本除去」という作業を見ていただきました。

 黒い部分を刷毛で少しづつ払っている様子がこの作業です。

数分間じっと見ていると、黒い焦げた部分の色が僅かながら薄くなっていくのが、分かるような、そんな実に細かい作業でした。

黒い部分が少しずつ薄くなっていきます

黒い部分が少しずつ薄くなっていきます

 さて、柵の中から間近で観察することで、普段は見えない細かい模様も見えてくるものです。

阿弥陀如来さまの向かって右胸辺りに文字が刻まれているのですが、見えますか?
青く囲んだ部分です。

江戸時代に修復作業に関わった人物が痕跡を残したのではないか、とされています。
3行確認でき、六十六という字が確認できます。

どんな意味を込められているのでしょうね?

六十六」と書かれている

「六十六」と書かれている

 

苔を取り払うのですら、これほど慎重さを要する現在、文字を刻むなんて考えられない発想です。

 

しかし、保存作業の場でこの事実が着目されるということがまた面白いものです。

みなさま、機会がありましたら阿弥陀様に隠された六十六、ご覧になってみませんか?

TOP