ちりあやめに見る「諸行無我」~思いはイースター島まで
参道のかわいい山野草「ちりあやめ」。
小さいながらに3つの花弁があやめと同じ形に開き、目立ちます。
ところが、朝夕は身を潜めており、「どこ?」と探してしまうことも。
よく見ると、細く縮れたような紫の花びらが見えます。
朝開き、夕方閉じるようです。
時間ごとに見てみると。
![午前9時](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/fe6f52595f6372bfe5133822a94a0a9a-450x600.jpg)
午前9時
朝9時前:開きかけです。内側にカールした花びらがだんだん広がっていく途中。
![午前9時 巾着の様に丸まっている寝坊助さん](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/950am-600x493.jpg)
午前9時 巾着の様に丸まっている寝坊助さん
午後1時:きれいに咲き広がっています。これぞあやめ。
![午後12時](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/6342b0135c6009b19d1fbaddecf0f88a-450x600.jpg)
午後12時
午後5時:ちりめん布のようにしぼみながら閉じてしまいました。
![午後5時](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/5pm-600x450.jpg)
午後5時
朝はけっこう寝坊助さん。夕方は早めにお休み。開店時間は短め。
閉じた姿がちりめん布のようでもあるので、ちりあやめ?かと考えましたが。
原産地が南米チリであることが名前の由来でした。
チリは日本の真裏、参道を地球の裏側まで掘り進めたら、咲いてるかもしれません。チリと言えば、同じ石造物であるイースター島のモアイ像が有名ですね。
仏教には、全てのものは繋がりの中で変化している(諸法無我)、という考え方がありますが、そう考えながら眺めるとまた味わい深さが増すものです、ちりあやめ。
似ている仏様 その2~群を超えて漂う平安貴族の気品
ホキ石仏第2群の九品の弥陀には9体の阿弥陀如来様がいらっしゃいます。
よく見ると、9体それぞれに厳しさ・穏やかさ・優しさ・真剣さ・・・表情も様々です。
向かって左から3番目の阿弥陀様は、気品ある切れ長の目に九の字型の鼻、広角の上がった微笑を浮かべた気品漂うお顔。
![貴族顔の九品弥陀、向かって左から3番目](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/31441fa5f241b510f60ea238a2102b4a-600x450.jpg)
貴族顔の九品弥陀、向かって左から3番目
ここで思い出したのが、古薗石仏の宝生如来様。
13仏の中でもノーブルさでは断トツです。
どうでしょう、何となく似ていませんか?
![引き目鉤鼻の気品漂う宝生如来様](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/6bd19b16090122d5fdaf84a31aaa1a9b-484x600.jpg)
引き目鉤鼻の気品漂う宝生如来様
![宝生如来様は大日如来様の隣、向かって左から2体目](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/e327e3c2da589f530260bb0c30f5266d-600x450.jpg)
宝生如来様は大日如来様の隣、向かって左から2体目
この2体の特徴は「引き目鉤鼻」の貴族顔です。
この表現方法は平安~鎌倉時代の大和絵に描かれた貴族の顔によく見られます。
九品の弥陀は平安後期の作であり、権力者の極楽往生を願って彫られとされるため貴族をモデルとしたものがあることも納得できます。
群を超えて共通点を探してみると、まだまだ面白い見方ができそうです。
5月の参道、山野草も仏様もそれぞれ
![山王山から古園へ向かう途中に咲く、マルハウツギ](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2588.jpg)
山王山から古園へ向かう途中に咲く、マルハウツギ
梅雨入り前のこの時期、参道にはよく見るといろんな山野草が咲いています。
ひっそりと。
山王山石仏から古園石仏へ続く岩肌に、白い小さな花を見付けました。数あるウツギの一種で、「マルバウツギ」といいます。
蕾は黄色い鈴の様で、5枚の花びらは星の様です。
特徴は、花のすぐ下には葉っぱがないこと。
葉っぱからすーっと枝が伸び、その先に花が付きます。
藪の中やほの暗い茂みに咲く山野草は白い花が多いもの。
似たような小花が多いのですが、それぞれ特徴があるのですね。
61体の石仏もそれぞれ特徴があり、味わい深いものです。
![九品の弥陀の阿弥陀様もそれぞれ](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2599.jpg)
九品の弥陀の阿弥陀様もそれぞれ
![向かって一番左の阿弥陀様、お鼻がちょっと曲がっています](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2598.jpg)
向かって一番左の阿弥陀様、お鼻がちょっと曲がって含蓄があります
みなさま、過ごし易いこの季節、草花や仏様をじっくり違いを楽しみながら散策してみませんか?
似ている仏様
![普賢菩薩](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2022/08/28bce3a22400d16d3a1fc7bfa4b31723.jpg)
普賢菩薩
古園13仏を眺めていると、似ている仏様がいるように感じられます。
大日如来様を中心に、如来・菩薩・明王・天部と左右に並んでいるため、
右を見て左を見ると、あれ?さっき見たような・・・と思ってしまいます。
今回ご紹介するのは、向かって右の普賢菩薩様と向かって左の文殊菩薩様。
![文殊菩薩](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/7e7ca05c3b440fec0da096357f3f4d5c.jpg)
文殊菩薩
ややより目で、何かに集中しているような目元、黒目もはっきり見えます。
アーチ型の眉も強い印象の目の影響か、大日如来様のもとのは、また異なった印象を受けます。厳しい一言を説いてるような口元。動的です。
石仏を彫った仏師にはいくつかのグループがあったと考えられております。
さらに、パーツ(頭部・腹部・足下)ごとに分担作業であったとも。
このお二方、同じグループの人たちが彫ったのでしょうか?
普賢菩薩&文殊菩薩に加わる第3の仏様がいるかもしれません。いそうな気がします。
みなさまも似た石仏があるなあ、と感じたことはありませんか?
GWの後半は初夏の臼杵石仏へ~端午の節句、鯉のぼるかな?
![鯉のぼらず](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2577.jpg)
鯉のぼらず
![新緑の熱気あふれる参道](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2571.jpg)
新緑の熱気あふれる参道
![子供の日には釈迦如来様を見てみよう!](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2573.jpg)
子供の日には釈迦如来様を見てみよう!
![臼杵焼「蔵出し市」](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2580.jpg)
臼杵焼「蔵出し市」
![いろんな作品が並びます](https://sekibutsu.com/sekibutsu/wp-content/uploads/2023/05/IMG_2581.jpg)
いろんな作品が並びます