保存作業現場一般公開が行われました
毎回好評の専門スタッフの方々による保存作業の現場公開が行われました。
今回はホキ石仏第1群でした。
「これを見に来たんよ!」
とおっしゃる方も多く、たくさんの人に作業現場を見て頂けたかと思います。
「苔の具合はどうですか?」
「ここ(ホキ1群)は水分量が少ないからいい感じに枯れてますよ!」
などと会話を聞いていても面白いです。
今日は昨日に比べて気温が一気に下がり、風も強く、作業員の方たちもとても寒そうした。
大きな岩面に対して、小さな苔をひたすら取り除く作業は気が遠くなりそうです。
普段使っている道具も見せて頂きました。
絵具の筆や、ピンセット、竹串などもありますね。
苔の種類や場所によって道具も使い分けているそうです。
さらには、毎日の天気、気温や湿度の記録、録画データの確認などなど、小さな変化も見逃さないようにたくさんのことを記録し、この大事な文化財を今と同じ姿で未来へ残していけるように、日々奮闘してくれています。
スタッフのみなさま、いつもありがとうございます。
そして、今日は元気な臼杵っこガイド達も登場し、お客様に案内をしてくれました。
子どもたちの案内を聞いて頂いた方、ありがとうございました。
次の現場公開は令和6年2月18日(日)です。
この日が今年度最後となります。
貴重な保存現場の公開日に是非お越しください。
暖かな雨に浮かび上がる「梵字」は、もう一つの仏さま

古園石仏群の勢至菩薩さまに梵字
季節外れの暖かな雨が降っています。
参道も石仏群もしっとり濡れて、一色濃い一日を迎えています。
気温と湿度がちょうどいい具合に高い日は、仏体がよく発色し、一部の仏様の頭上に梵字が浮かび上がります。
その一つである、古園石仏群向かって左端から3体目の「勢至菩薩」さま。光背の尖った部分の下に、梵字のバンという文字が浮かんで見えます。
いつもあるのですが、こういった天候の日は見易いのです。本来なら全ての仏様の頭上にあった梵字。
梵字は仏さまそのものを現すとされています。そう考えると、この緩やかなカーブで描かれた文字が心に有り難く染みわたるように見えます。

鮮やかに映るホキ石仏第1群第3龕の如来さま方
梵字ではありませんが、ホキ石仏第1群第3龕の如来様方も、とっても鮮やかに染まっています。中尊は「大日如来様」。こんな日は、「全ての命あるものは大日如来から生まれた」という考え方が思い起こされるものです。様々な命の力が満ちているような。
みなさま、タイミングを見計らって梵字日和に一度見に来てみませんか?
今年もカワセミがきています
また今年もカワセミちゃんが来ています。
参道のすぐ下の川で、魚を狙っています。
深田周辺に一年中生息しているようなのですが、参道下の川に来るのは毎年決まってこの時期、寒くなってからです。
毎日毎日、川べりでちょこんとかわいく、水の中を眺めながら、川に飛び込むタイミングを見極めているようです。
飛び立つときの背中の青は本当にきれいです。
お時間ある方は、是非石仏周辺でカワセミを探してみて下さいね!
11月最後の参道


憂いを帯びた晩秋の官房長官(ホキ1群2龕)

ホキ1群1龕の如来様方
染まりゆく葉を前に隣の1龕の如来様方と向かい合うと、過去・現在・未来という時の流れをあらためて感じさせられるものです。

ようやくモミジのアーチができました
鐘撞き堂から響く、石仏の声
晩秋の石仏公園は、石碑に刻まれた言葉を読みながら散策したり、祈りの回廊の巡礼地でもある満月寺を訪れたりするのに相応しい落ち着いた魅力があります。

満月寺の境内

祈りの回廊のスタンプ

満月寺
そうした中、時おり響き渡る鐘の音を聞くと、心に安らぎが広がってくるものです。これは、満月寺奥の鐘撞き堂から鳴らされる音です。
お寺の鐘には、2つの大事な役割があるそうです。
まず、時を知らせること。
かつては、朝夕の鐘の音を聞いて仕事の区切りを付ける、など人々の暮らしに活用されていました。
もう一つは、人々に「仏さまの声」を届けること。
鐘の音を聞いた人々が苦悩から解放されて穏やかな気持ちに包まれる、というものです。大晦日の除夜の鐘もこの意味で使われているのですね。
さて、満月寺奥の鐘撞堂は、どなたでもご自由に撞いていただけます。
自らの手で奏でた音を全身で感じ入るのも、誰かの鳴らした響きを有難く受けるのも、心に落ち着きと安らぎを与えてくれそうです。
みなさま、紅葉の進む臼杵石仏で梵鐘の音に出会ってみませんか?

石仏公園から眺める古園石仏

心の小径の石碑