今日は今日の金剛力士立像
霜が降り、白い朝を迎えた深田の里。鯉も寒そう。
参道には、12月らしく南天の赤い実がたわわに実ってきました。
岩肌を眺めながら古園石仏群へと進んでいると、入口に立つ金剛力士立像がいつもより存在感を増して目に映ってくるものです。
さて、向かって右側の「吽像」の脇腹に、数本の筋が入っているのが分かりますか?
これは、何の模様か?、あばら骨か?、植物を除去した跡か?、等々、みなさんいろいろと想像されるようなのですが。
実はこの筋、水の浸食による跡なのだそうです。
10数年前、ちょうどこの位置に水が染み出し、岩肌が溶けた部分が凹んだため筋が入ったように見えるのです。
当初から意図して作られたものではなく、自然の力によって施された装飾なのですね。
屋外の岩肌というキャンバスに彫られた像ならではの現象。
これから、まだ変化していくのか?と考えると、目の前の姿も今日だけしか見られないもののようで、貴重な一風景に感じられます。
みなさま、臼杵石仏に来られた際には、その瞬間だけの「金剛力士立像」をぜひご覧ください。
保存作業現場公開・臼杵っこガイドが開催されました
11/24(日)、「保存作業現場公開」と「臼杵っこガイド」が開催されました。
保存作業現場公開の行われた古園石仏群では、特別に設置された台の上に、次々とお客様が立ち専門の方の説明を聞きながら、興味深く作業を観察する姿が見られました。
今回公開された工程は、第1回目の照射で壊死した苔類の除去です。
苔類が茶色く変色し、十分に照射された箇所を見極め、表層部を刷毛で丁寧に取り払うというものでした。日々観測に携わる専門家の「見極め」がこの作業の鍵となるようです。
今後、2回目の照射を経て、更に深い部分の苔を除去します。
最後に、撥水材を塗布して本年度のクリーニング作業は終了するそうです。
さて、臼杵っこガイドも各群でお客様をお迎えし、案内しました。
今回参加したのは、臼杵市内の小中学生6人。
原稿は自分で作成したもの。子どもたちの説明により、パンフレットだけでは得られない、心に残る石仏巡りとなったようでした。
また、チケット売り場の川向こうにある「gallery SARAYAMA」では、臼杵焼の窯出し市も開催され、お気に入りの一皿を見付けに来るお客様で賑わいました。
(蔵出し市は、11月25日、10時~16時まで)
朝からあいにくの雨模様となりましたが、夕方になると霧を割って、青空をが現れた深田の里!
イベント盛り沢山の今週末、多くのお客様にお越しいただき大変感謝しております。
ありがとうございました!
臼杵のかわいい宝たちが、地域の宝・臼杵石仏を探訪!
11月14日(木)、「乳幼児期家庭教育学級 にじっ子」の親子約20組のみなさまと引率の先生・ボランティア・スタッフの方々が石仏に来てくれました!
「にじっ子」は、臼杵市が取り組む家庭教育支援活動の一つです。乳幼児と保護者が、地域の方々と共に遊びや体験を通して成長する場です。
毎月2回ほど活動しているそうです。
今日は、ちょっと寒い朝となりましたが、元気に石仏公園に集合。お母さんと並んで、いざ石仏へ出発!
どんぐりや落ち葉を拾ったり、ふと小川を眺めたり、と発見がいっぱいの参道を進み、古園石仏群へ到着しました。
初めて会う大きな大日如来様。
願い事を携えず、ただピュアな心で仏様と対面できるのは、この世代だけの特権でしょう。
日常の身近な存在の一つとして、認識してくれたらいいな、と願っています。
居合わせた県外の団体客の方々にも、地域の子どもが文化に触れあう姿は好感的に映ったようでした。
さて、明るい陽ざしの注ぐ公園に戻り、ランチタイムです。
お弁当の唄をみんなで歌って、いただきます!
「にじっ子」で作った、牛乳パックのバッグを手に臼杵石仏にやってきた。にじっ子ちゃんたち。
どんな思い出が詰まったのでしょうか?
臼杵の将来を担う地域の宝、にじっ子ちゃん。
みなさまの成長を61体の石仏と共に願っております。
アサギマダラ、まだかな?
10月になると、石仏を流れる小川に「フジバカマ」という落ち着いた紫色の花が咲きます。
そうなると、心待ちになってしまう「アサギマダラ」という蝶の飛来。
この蝶は、20℃前後の気候の地を求めて、移動する渡り蝶。その距離は2000kmにも及ぶ大飛行です。
春は南西諸島や台湾から北上し、日本列島を縦断します。秋は、逆コース。南方への飛行の途中、フジバカマの花の咲く場所に立ち寄ります。この花の蜜に含まれる成分が、蝶の生育に必要なためだそうです。大分県では、姫島村が一大飛来地として有名ですが、臼杵石仏の小川でも一休みしていく姿が見られるのです!
今年は、残念ながらまだ姿が確認できておりません。
10月も終わりますが、待ってるよ!アサギマダラ!
*写真の蝶は、過去のものです。フジバカマは今日のもの。
黄金色の季節
稲刈りの季節になりました。
石仏のある深田地区の田んぼも、収穫期を迎え賑わっております。
黄金色に染まった田んぼをジグザグと進む赤いコンバイン(稲刈り機)。みるみるうちにたわわに実った稲が刈り取られていきます。
いつ見ても、日本の里の原風景だと思わせられる古園石仏からの眺め。
今日もまた、里の秋の一枚が描かれていきます。
黄金色の季節ももうすぐ終わり。
一段と深まる秋の次の風景をお楽しみに!