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国宝臼杵石仏公式ブログ

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火まつり前の草刈で清々しい石仏&第3のハートの出現

 いよいよ火まつりも今週末に迫ってきました。
先週から、参道内や公園、駐車場など、石仏敷地内の草刈が進んでおります。
地域の方々・市役所など関係者で協力して、行う炎天下の作業です。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

 参道内を歩くと、刈り立ての青い草の香りが清々しく漂っていました。
夏枯れの茶色い茎や生い茂った藪が消え、こざっぱりとした風景があちこちに広がっています。そんな中、古園石仏の高台からいつもとは異なる眺めが見えたのでご紹介します。

 お馴染み「うすきプロジェクト(すき、はハートマーク)」のロゴです。
東屋(公園内の小さな小屋)の前に「う」と白っぽいハートマークが珍しく浮かび上がっています。普段は茶色が埋もれていたり、「う」が消えていたりして、見えてこないのですが。

 古園石仏にあるピンクの看板でクイズとして紹介されているのは、その前に広がる横向きの大きなハートです。
その右に緑のハートもあるのですが、こちらは今回埋もれています。見える季節が多いので、こちらは第2のハート?です。

 「うすきプロジェクト」のハートは、知る人ぞ知る第3のハート。

大日如来様も、火まつり前の準備や整えられた景色に満足されていることでしょう。
みなさま、火まつりの夜は、松明に照らされた幻想的なハートを探してみませんか?

真夏の白い石仏

 連日、猛暑が続いておりますが、仏さまはいつもと変わらない穏やかな表情で迎えてくれます。

 暑さの中にも時おり通る風は心地よく、肌も乾いていくようです。

 照り付ける陽ざしの強さ・多さに、石仏の岩肌も白っぽく見えます。
湿気が多く色がよく浮かび上がった日の石仏は、表情豊かに、身体は肉感的に感じられるのですが、本日はその反対といいましょうか。

 じっと蝉しぐれや風の音を聞いているような、静かで柔和なお顔に映ります。こんな日は平安の昔から居続けている、という長い時の流れを強く感じさせられます。それでいて、圧倒的な「静」の中で石仏と向かい合うと、時が止まってしまったようにも思えるので不思議なものです。

 さて、大日如来さまの視線の先には蓮畑が望めます。
遠目にも花が咲き誇っている様子が伺えます。

古園石仏の高台に風が吹き抜けると、眼下の青田にさざ波がさーっと立ちました。
真夏の白い静かな石仏もいいものです。

6月の暖かな雨に染まる石仏~ベンガラは力強い大地の色

 梅雨空が続く週末。
先日の夕方、シャッターを閉める際に暖色に染まる各群に、見惚れてしまったのですが。

 今朝はまた、雲間から刺す薄い日陽射しに、鮮やかさが際立って見えました。

 湿度と気温の高いこの時期は、仏体の色がよく発色します。
元々、石仏には5色(黒・白・赤・黄・緑)の色が施されていました。
中でも、赤はこの土地から採れる酸化鉄であるベンガラで、独特の風合いを石仏に与えているようです。

力強く仄暗い赤色。

ベンガラは世界最古の顔料であり、日本では土器の彩色や魔除けのため古墳に使われてきました。臼杵石仏でも魔除けの役割りを担っているのでしょうか?
防腐作用もあるので、石仏を守ってくれる頼もしい赤でもあります。

 語源はベンガル地方といいますから、仏教伝来には教えと共に仏教美術も含まれることに改めて気付かされます。

 そんなことを考えながら歩く梅雨の参道は、味わい深いものです。
みなさま、雨の週末、鮮やかな石仏を見て歩きませんか?

 

田植えが始まりました~仏に見護られながら夏がやって来ます

朝から夏の気配が濃い中、参道を進むにつれ蒸し暑さも遠のいていくようです。仄暗い緑の陰や山鳥の声のせいでしょうか?

 そんな中、微笑みをたたえて現れるのが山王山の仏さま。
風景によく溶け込んで見えるのは、地元の人が彫ったとされるからでしょうか?(山王山以外の石仏は都から来た仏師の作とされています。)

 この土地に息づく草花や動物、神社の祭り、といったほのぼのとした風物詩を愛着を持って見護っていらっしゃる心強い仏さま。

 さて、古園石仏へ進み公園を見渡すと、水田に田植え機が動いていました。
これから青田を経て黄金色の稲穂がたなびくまで、変化する畑の様子はどれも美しい仏の里の一景です。

 五穀豊穣を願いながら、平穏に夏を迎えられることを古園13仏に感謝して手を合わせるひと時もいいものです。

タイサンボクの白い花はお釈迦様の微笑み?

タイサンボクの木、ホキ石仏第2群手前

タイサンボクの木、ホキ石仏第2群手前

ホキ石仏第2群へ向かっていると、参道の大木が白い花を咲かせています。
この時期、お客さまから「何の木ですか?」と度々尋ねられます。

 これは「泰山木(タイサンボク)、モクレン科モクレン属、学名:Magnolia grandiflora」です。そういえば、木蓮に似ていますね。

 参道にあるこの大木は、1967年、臼杵市とスリランカ中部の仏教都市キャンディー市が姉妹都市提携を結ぶ際に記念植樹として植えられました。

 キャンディー市は仏教の聖地の一つとして現在でも多くの巡礼者が訪れ、また歴史的建造物も多いことから街全体が世界遺産に登録されています。中でもお釈迦様の歯を祀った「仏歯寺」は代表的な仏教寺院です。

 さて、6月の空に浮かぶ白い花は、優しく目に映ります。お釈迦様が白い歯を

 臼杵石仏には数名のお釈迦様がおられますが、この花のイメージに近い方を探してみました。

行きついたのは、ホキ石仏第1群第3龕のお釈迦様。
歯は見えないけれど、凛としたお顔と小さく開いたお口が印象的です。釈迦の微笑みでしょうか?

ホキ石仏第1群第3龕 向かって左のお釈迦様

ホキ石仏第1群第3龕 向かって左のお釈迦様

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