暖かな雨に浮かび上がる「梵字」は、もう一つの仏さま

古園石仏群の勢至菩薩さまに梵字
季節外れの暖かな雨が降っています。
参道も石仏群もしっとり濡れて、一色濃い一日を迎えています。
気温と湿度がちょうどいい具合に高い日は、仏体がよく発色し、一部の仏様の頭上に梵字が浮かび上がります。
その一つである、古園石仏群向かって左端から3体目の「勢至菩薩」さま。光背の尖った部分の下に、梵字のバンという文字が浮かんで見えます。
いつもあるのですが、こういった天候の日は見易いのです。本来なら全ての仏様の頭上にあった梵字。
梵字は仏さまそのものを現すとされています。そう考えると、この緩やかなカーブで描かれた文字が心に有り難く染みわたるように見えます。

鮮やかに映るホキ石仏第1群第3龕の如来さま方
梵字ではありませんが、ホキ石仏第1群第3龕の如来様方も、とっても鮮やかに染まっています。中尊は「大日如来様」。こんな日は、「全ての命あるものは大日如来から生まれた」という考え方が思い起こされるものです。様々な命の力が満ちているような。
みなさま、タイミングを見計らって梵字日和に一度見に来てみませんか?

今年もカワセミがきています

また今年もカワセミちゃんが来ています。
参道のすぐ下の川で、魚を狙っています。
深田周辺に一年中生息しているようなのですが、参道下の川に来るのは毎年決まってこの時期、寒くなってからです。
毎日毎日、川べりでちょこんとかわいく、水の中を眺めながら、川に飛び込むタイミングを見極めているようです。
飛び立つときの背中の青は本当にきれいです。
お時間ある方は、是非石仏周辺でカワセミを探してみて下さいね!

11月最後の参道


憂いを帯びた晩秋の官房長官(ホキ1群2龕)

ホキ1群1龕の如来様方
染まりゆく葉を前に隣の1龕の如来様方と向かい合うと、過去・現在・未来という時の流れをあらためて感じさせられるものです。

ようやくモミジのアーチができました
鐘撞き堂から響く、石仏の声

晩秋の石仏公園は、石碑に刻まれた言葉を読みながら散策したり、祈りの回廊の巡礼地でもある満月寺を訪れたりするのに相応しい落ち着いた魅力があります。

満月寺の境内

祈りの回廊のスタンプ

満月寺
そうした中、時おり響き渡る鐘の音を聞くと、心に安らぎが広がってくるものです。これは、満月寺奥の鐘撞き堂から鳴らされる音です。
お寺の鐘には、2つの大事な役割があるそうです。
まず、時を知らせること。
かつては、朝夕の鐘の音を聞いて仕事の区切りを付ける、など人々の暮らしに活用されていました。
もう一つは、人々に「仏さまの声」を届けること。
鐘の音を聞いた人々が苦悩から解放されて穏やかな気持ちに包まれる、というものです。大晦日の除夜の鐘もこの意味で使われているのですね。
さて、満月寺奥の鐘撞堂は、どなたでもご自由に撞いていただけます。
自らの手で奏でた音を全身で感じ入るのも、誰かの鳴らした響きを有難く受けるのも、心に落ち着きと安らぎを与えてくれそうです。
みなさま、紅葉の進む臼杵石仏で梵鐘の音に出会ってみませんか?

石仏公園から眺める古園石仏

心の小径の石碑
山王山石仏からの眺め

山王山石仏からの眺め
今朝の石仏参道内の様子です。少しずつ紅葉が進んでいます。


この時期は、山王山石仏がお堂の中にひっそりといらっしゃるように見えます。晩秋のほの暗さに仏体表面の程よい色合いが、存在感を持って浮かび上がるからでしょうか?
さて、山王山のお釈迦様を背にしてホキ1群を眺めてみました。仏様と同じ角度で。長年変わらない視界、季節の変化をさぞ楽しみにしていることでしょう。目の前の大きなもみじが煌々と色づくまでもう少しですね。
石仏公園の唐楓もさらに色付いてきました。小春日和の秋空によく映えます。
本日は、白馬溪もみじまつりも開催中です。
みなさま、臼杵石仏や白馬溪でゆったりとした時間をすごしてみませんか?
