臼杵石仏?臼杵磨崖仏?正しいのはどっち?
臼杵市民の方には「臼杵石仏」として有名な、臼杵の大事な国の宝。
全国各地から来られるお客様の中には「臼杵磨崖仏を見に来ました」とおっしゃる方も非常に多いです。
「臼杵石仏」とインターネットで調べてみても、wikipediaには「臼杵磨崖仏」と出てきて、何がなんだかさっぱり。
臼杵石仏と臼杵磨崖仏…。
みなさんはこの違い、分かりますか?
臼杵市民・大分県民の方は、身近にあるからこそ気にしたことがない、という方が多いのではないでしょうか?
果たしてどちらが正しいのでしょう?
正解は…
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
どちらも正しい!です。
***********
まず名詞としての「石仏」と「磨崖仏」の違いから。
石仏(せきぶつ)とは、漢字の通り「石に彫られた仏像」のことで、古くから僧侶や権力者によって石や岩を彫り、様々なところでつくられてきました。
石に彫られた仏像であれば、サイズや形など特に決まりもなく、広い範囲で石仏と呼ばれています。
彫った仏像を祀ってお参りしたり、信仰の為にお寺や神社など、昔から人の集まるところに設置されることが多いようです。
日本人にはお馴染みの「お地蔵さん」もこの石仏の一種です。
臼杵石仏蓮畑にある、笑顔が素敵なこちら↑の仏像は、どこかで彫られたのちにここに設置されています。
***********
一方、磨崖仏(まがいぶつ)とは、自然界にある岩壁や崖に直接彫り込まれた仏像を指します。
自然界にあるため、屋根や囲いで保護することはありますが、基本的には屋外に彫られています。
さらに、仏像の背面は岩壁にくっついているため、その場所から動かすことはできません。
誰が何のために彫ったのかが分からないことが多いのですが、数人から数百人の僧侶などが雨風に打たれながら、修行のために彫ったとされることが一般的なようです。
***********
石仏と磨崖仏の違いが分かったところで、臼杵の石仏を見てみましょう。
臼杵石仏は自然界の岩壁に彫られていますので、動かすことはできません。
よって必然的に磨崖仏となります。
***********
それでは続いて、臼杵石仏と臼杵磨崖仏についてです。
上にも書きましたが、呼び方としてはどちらも正解です。
但し、違いはあります。
臼杵石仏は観光施設として、周辺の土地などもすべて含んだ名称で、臼杵磨崖仏は国宝として文化庁に登録されている、仏像を指す名称となります。
文化庁への登録は、
【名称】
臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)
【文化財部類】
国宝・重要文化財(美術品)
【分類】
彫刻
【指定番号】
121
という分類で登録されています。
国宝登録は、壁に彫られた61体の仏像本体のみです。
もしお時間があったら、文化庁のページで国宝などを検索してみるとおもしろいかもしれませんよ^^