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国宝臼杵石仏公式ブログ

お盆に観る三世仏パラドックス

ホキ石仏第1群第1 龕、左から薬師如来(過去仏)・釈迦如来(現世仏)・阿弥陀如来(未来仏)

ホキ石仏第1群第1龕、左から薬師如来(過去仏)・釈迦如来(現世仏)・阿弥陀如来(未来仏)

今年もお盆がやってきました。
ご先祖様や親しかった故人を忍び、あの世での冥福を祈る大切な時間。
みなさま、どのように過ごされていますか?

 仏教では、ご先祖様がいる世界(亡くなった後の世界)は、「未来」とされます。
今、生きている世界が現在。生まれる前は過去。

 そして、「過去」・「現在」・「未来」に対応する仏様を「三世仏」といいます。過去仏を「阿弥陀如来」、現世仏を「釈迦如来」、未来仏を「弥勒菩薩」とするのが代表的なパターンです。
しかし、弥勒菩薩がいない場合は、過去仏を「薬師如来」、現世仏を「釈迦如来」、未来仏を「阿弥陀如来」とするなど、様々な組み合わせがみられます。

 臼杵石仏では、ホキ石仏第1群に同じ高さの如来像が3体並ぶ「如来三尊像」という形式が見られます。「三世仏」を思い描きながら観るのにふさわしい場所です。

第1龕では向かって左から過去仏の薬師如来像、続いて現世仏の釈迦如来像、右に未来仏の阿弥陀如来像、とちょうど時間軸に沿って仏様を見ることができます。
懐かしい故人を想う時、何となく過ぎ去った「過去」をイメージしますが、その故人は未来である死後の世界(極楽浄土)にいる・・・、不思議な感覚です。

 未来仏(阿弥陀如来様)の前に立ち、現世にいる者が過去に生きた人の冥福を祈る、ということ。
お盆の三世仏パラドックス?でしょうか?

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