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国宝臼杵石仏公式ブログ

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朱に燃える地蔵十王像〜ホキ石仏第1群第4龕

臼杵石仏の中で最も鮮やかな色彩を放つ地蔵十王像。
名前の通り、中央に地蔵菩薩・両脇に五体ずつ十王像が並んでいます。

ここは、その人間が死後、極楽浄土にいけるか・地獄へ落ちるかの裁判を司ると言われる場所です。
両脇の十王が裁判官、中央の地蔵菩薩が地獄に落ちようとする者を救う弁護士とされます。

さて、お姿を拝見すると、地蔵菩薩の肌は黒く閻魔大王のようです。

十王は、裁判官らしい服装と冠、手には笏という判決文が書かれた板片を持っています。

ちょっと離れて背景を眺めると、光背には枯草模様と7つの円が描かれ、何だかオリエンタルな雰囲気を漂わせます。
頭上の円には梵字が、その他6つの円には地蔵菩薩が入っています。

石仏の楽しみ方の一つに「発色した朱を見る」というものがあります。岩肌が静かに情熱をたたえているようで、抗いがたい魅力があるものです。

湿度の高い日がねらい目です。

煌々としたホキ1群を彷徨いながら、人生の裁き・・・いや、本日のわが身の在り方を反省してみるのはいかがでしょうか?

現在、保存作業中につき古園石仏群が見られなくなっております。大変ご迷惑をおかけしております。

他の石仏群も国宝指定された素晴らしい磨崖仏です。当ブログやフェイスブックでその魅力をご紹介しておりますので、違った角度からの石仏をお楽しみください。

臼杵石仏fb

「懐かしい石仏」写真展示中

「頭部が下に置かれた古園石仏」

現在、石仏チケット売り場横の石仏売店内にあるミニギャラリーで、

昔の臼杵石仏の写真を展示しております。

古園石仏群の中心にある大日如来像の頭部は、長年下に安置され、臼杵石仏の「顔」として親しまれてきました。平成5年に、元の位置に戻され平成7年に国宝指定を受けました。

以来20年、現在の姿の大日如来様も徐々に参拝される方々に浸透している様子です。一方で、地に置かれた頭を懐かしむ声も根強く聞かれます。

石仏が文化財であるとともに、数百年来の参拝する人々の想いによって存続していることを考えると、「落下した頭」という時代も臼杵石仏を語る上で、外せない時間であるといえます。

古園石仏群は、現在保存工事のため観覧できません。大変ご迷惑をおかけしております。臼杵石仏は、阿蘇溶結凝灰岩という柔らかい岩肌に彫刻されており、朽ち易いため、保存を図る必要があります。今回は古園石仏の保存環境をより良くするため、覆い屋の改修工事を行っております。文化財として後世に伝えていくため、必要不可欠な処置としてご理解ご協力をお願い致します。

新しい旅の目的地として、「もう2度と訪れることのできない古園石仏の時代」という空間に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

 

「ミニギャラリーの様子」

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