臼杵石仏現代史を知る~石仏の今を作った整備と保存の歴史
参道内に新しい看板が3つ加わりました。
昭和30年代から現在に至る整備と修復、保存に関する説明がされています。
石仏の現代の歩みは、文化財としての保存の歴史でもあります。
まず、ホキ2群の手前の看板。これは毎年実施されている仏体表面のクリーニング作業について説明したものです。紫外線を照射して着生生物を除去する行程が写真入りで解説されています。
実際、ホキ2群の9品弥陀を見てみます。ここは、昨年クリーニングを行ったばかりなので、苔などがほとんど生えていません。
ホキ1群へと続く階段沿いに立つ看板には、仏体の凍結に関する説明がされています。
凍結による損傷の写真があり、温度管理の必要性がよく解ります。
最後に登場するのが、古園石仏群の手前の看板です。昭和33年から平成30年にかけての覆屋の変遷や仏体本体の修復についての説明がされています。これは、臼杵石仏がどのような経過を辿ってきて今の姿になったのか、知ることができます。
さて、視線を足下に向けるとキラリと光る赤い実が。野いちごです。
初夏の参道にはあちこちに山野草が見られます。
仏体にとっては脅威となる植物ですが、岩肌に在り続けるためには「共存」していかねばなりません。
平安から続く人々の祈りを静かに聞いてきた石仏。これからも在り続けるために、現代史を知りながら石仏巡りをしてみませんか?