似ている仏様 その2~群を超えて漂う平安貴族の気品
ホキ石仏第2群の九品の弥陀には9体の阿弥陀如来様がいらっしゃいます。
よく見ると、9体それぞれに厳しさ・穏やかさ・優しさ・真剣さ・・・表情も様々です。
向かって左から3番目の阿弥陀様は、気品ある切れ長の目に九の字型の鼻、広角の上がった微笑を浮かべた気品漂うお顔。
ここで思い出したのが、古薗石仏の宝生如来様。
13仏の中でもノーブルさでは断トツです。
どうでしょう、何となく似ていませんか?
この2体の特徴は「引き目鉤鼻」の貴族顔です。
この表現方法は平安~鎌倉時代の大和絵に描かれた貴族の顔によく見られます。
九品の弥陀は平安後期の作であり、権力者の極楽往生を願って彫られとされるため貴族をモデルとしたものがあることも納得できます。
群を超えて共通点を探してみると、まだまだ面白い見方ができそうです。