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国宝臼杵石仏公式ブログ

紫外線照射部分から考える頭の復位の意味

紫外線は仏体下に当てられる

紫外線は仏体下に当てられる

今週、ホキ石仏第2群第1龕で紫外線照射が始まりました。

11月から行っていた古園石仏群(向かって右側)の一連のクリーニング作業も年内に無事終わり、今回は本年度第2弾となります。

 2週間ほど照射し表層部の着生生物を枯らし、刷毛などできれいに取り払います(中間除去作業)。その後、再度照射を行いもう少し深い部分を枯らし、除去していきます(本除去)。

 画像をご覧いただくと、紫外線は仏体の下半身に当てられていることが分かると思います。
水分は上から下へ流れるため、湿気も下にいくほど溜まり易く、苔も多くなるためです。

 古園石仏群の大日如来像の頭も地面に落下していたままの状態が続いていたら、同じ様に着生生物による損傷が進んでいたことでしょう。

 高い位置に上げて劣化を防いだ、という点でも頭の復位は意義深い出来事だったと実感されられます。

下方に置かれたままでは劣化が進んだことでしょう

下方に置かれたままでは劣化が進んだことでしょう

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