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国宝臼杵石仏公式ブログ

小雪が散る参道と一味違う山王山

小雪が舞う山王山からの眺め

小雪が舞う山王山からの眺め

 昨日からの冷え込みで、小雪が舞っております。
山王山からの眺めは、色付く木々に透明な冷気のベールがかかったような冬仕立て。
が、振りかえれば穏やかなお顔の釈迦如来さま。強張った背中がゆるゆるとほどけるようです。

 さて、山王山は他の石仏群とは異なり、地元の仏師が彫ったと(他の群は京都の仏師による作)います。それだけでも大きな特色なのですが他にも変わった点があるようです。
その一つが、螺髪(大仏パーマ)の謎です。

螺髪は智慧の象徴とも言われる「如来さま」のヘアスタイルですね。
山王山の中尊である釈迦如来様も立派な巻貝パーマをお持ちです。ところが、頭のてっぺんは省略されて真っ平!

一見、立派な大仏パーマに見えますが

一見、立派な大仏パーマに見えますが

発見した時は、衝撃が走ったことでしょう。確かに大きな仏様。通常は頭の上まで見えません。だからといって彫らないという選択は、ないような。
真上には「日吉神社」あります。「神さまが見ています!」。
そう言うと、お応えが反ってきそうです。「私は神でもあるのだよ」と。
というのも、山王山は「本地垂迹(仏は神の化身であるという考え)」という思想の下に彫られた、という説もあるからです。
いずれにしろ、何か急ぐ理由があったのでしょうか?
やっぱり一味違う仏様です。そこがまた魅力でもあります。

言われてみれば、上は平らかな?

言われてみれば、上は平らかな?

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