60年ぶりの石仏一人旅
先日、年配の男性が一人で臼杵石仏にいらっしゃいました。
入り口で「60年ぶりに来たから楽しみにしています」と言われ、少し世間話をしました。
〇〇年ぶり、とお話してくださる方は多く、「修学旅行で来たよ!」「新婚旅行で来た!」「教科書に載ってたよね?」などとよく言っていただきます。
いろいろなお話がある中で、「60年ぶり」という方も実はそんなに珍しくはありません。
ただその方は、前回来たのが22歳の時で、石仏をまた見たいとずっと思っていたけれど、なかなか機会がなく、今回になった、と。
歳もとって危ないからと家族に運転免許の返納をと言われていて、福岡から最後の一人旅の目的地として、ここ臼杵石仏を選んだ、とのことでした。
「まだその頃は参道もなくて、竹藪の中の狭い道を上がっていったんよ」
臼杵市民にとって身近な石仏を最後の一人旅の目的地として選んでいただけたことはとても光栄です。
しかしながら、このおじいちゃんはこの旅行を終えたら、もう1人で運転して旅をすることはないんだなぁと思うと、最後の目的地に選んでいただいた嬉しい気持ちと、なんとも言えない切ない気持ちが入り混じって、なんだか複雑でした。
お客様の中には様々な思いや事情と共に来られる方がいらっしゃいます。
臼杵石仏は約900年の間、同じ場所で風雪に耐え、多くの人に大切にされ、愛されながら、人々の思いや願いを聴いてくれています。
紅葉シーズンです。お散歩がてら是非臼杵石仏へお越しくださいね^^
写真はいつかの石仏からの風景です。
虹が出ていました^^