苔生す岩肌、昨年の紫外線照射の効果は?
蝉しぐれが響く、雨も度々降りすっかり苔生してきました。
石仏表面は、参道の岩肌と同じ材質です。阿蘇溶結凝灰岩といって、9万年前阿蘇山が噴火した際、流れてきた火砕流が冷えて固まってできています。水分を多く含む柔らかい岩肌。
苔の茂った参道は、侘びさびも感じられ風情があるのですが、仏体には天敵です。表面を侵食して仏体を欠損させてしまうのです。
これらの影響を抑えるため、臼杵石仏では毎年秋から冬にかけて岩に無害な紫外線を照射し、付着した植物を枯らして除去しております。
昨年度、古園石仏群では向かって左半分に紫外線を照射しました。
右半分と比べてみると、違いがよく分かります。
苔の着生が少なく、まだまだセーフといったところ。
右半分の仏様たちは、緑の部分が増えています。今年はしっかり焼いてもらいましょうね。
無量寿如来さまから多聞天さんまで、もうしばらく耐えて下さい。