宝篋印塔~満月寺周辺の石塔巡り
今回は満月寺周辺からもう一つ、「宝篋印塔」をご紹介します。
造られたのは、13世紀後半、五重塔より少し古い塔です。満月寺の守護社である日吉社に因んで、「日吉塔」という通称を持っています。
中央(塔身部)の空洞には、経典が納められていたと考えられています。扉の跡や朱と白に塗られた枠は、お寺に似つかわしい雰囲気を漂わせています。
台石(下の部分)にある二つの格挟間に彫られた蓮の花の形は、五重塔の格挟間とよく似ているそうですが、風化してよく見えません。(五重塔も梵字の下の花ははっきり見えますが、格挟間の花はぼやけています。)。
高さは4.44mあり、この時期では日本でも最大級の高さとされ、満月寺の力が大きさが伺えます。
石の材質は臼杵石仏と同じ凝灰岩。そのせいか、風合いや佇まいは、辺りの風景とよく馴染んでいるように感じられます。
臼杵石仏周辺を散策していると、いろんな場所で石塔や石碑、石像に出会います。
この地に豊かな石の文化が根付いていることをしみじみと感じられるものです。