11/15(土)、11/25(火)「国宝臼杵磨崖仏着生生物類除去作業 特別公開」のお知らせ
日時・内容
11月15日(土) 9:30~12:00 中間除去
11月25日(火) 9:30~12:00 本除去
場所
ホキ石仏第2群第1龕
臼杵石仏では、毎年仏体に付着した苔等の着生生物類を岩に無害な紫外線によって枯らし、除去する、というクリーニング作業を行っています。
これは、すばらしい臼杵の文化財を未来へ伝え、残すために必要な大切な取組みです。
・なぜ着生生物を除去する必要があるのか
仏体表面に付着した苔等は深部に向かって根を張り成長していきます。
気温が下がると、深部に付いた水分が凍結して仏体内部で膨張し、やがて物体表面にひびが入るといった破損を生じさせてしまいます。
そこで、定期的に着生生物を除去して仏体内部への浸食を阻止する必要があるのです。
・仏体に着生生物が生え易い理由
臼杵磨崖仏は、9万年前に阿蘇山が噴火した際に流入した火砕流が冷え固まってできた「阿蘇溶結凝灰岩」という水分を多く含む柔らかい地層に彫られています。そのため、植物が生育し易い環境にあります(その反面、彫り易い、というメリットもあります。)。
作業工程
- 事前除去
紫外線が届き易いように物体表面の生物を手作業で取り除く。 - 中間除去
紫外線を約2週間照射し、枯死させた仏体表面の着生生物を刷毛などで除去する。 - 本除去
再度、紫外線を照射し、仏体深部に達した根の部分などを枯死させ手作業で除去する。これはもろい部分に触れる慎重な作業となる。 - 撥水処理
着生生物の生育を遅らせるため仏体表面の土壌化した部分に撥水剤を散布する。
今回の作業は、「中間除去(15日)」と「本除去(25日)」にあたる行程です。
みなさま、この機会に文化財保存の現場に立ち会ってみませんか?
当日は、普段入ることのできない柵の中に組まれた足場に上がって、いつもと異なる角度から石仏をじっくり見ることができますよ。
また、専門員の話も聞くことができます。
