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11/26(土)「紫外線照射・保存作業現場公開」のお知らせ

昨年度の紫外線照射の状況

昨年度の紫外線照射の状況

下記日程にて、紫外線照射・保存作業現場の公開いたします。

日時:令和4年11月26日(土)、午前10~12時
場所:古園石仏群
*当日は臼杵っこガイドも登場する予定です。

 臼杵石仏では、文化財を後世により良い状態で承継するために、定期的な保存作業を行っています。保存の大切さを広く知っていただくために、年に2回作業現場を公開しております。

 「保存作業」とは
臼杵石仏は、阿蘇溶結凝灰岩という水分を多く含んだ柔らかい地層に彫られています。そのため、仏体表面にシダや苔が生え易く、それらは仏体表面を侵食していきます。放置しておくと、仏体を深く・広く損傷させ大きな劣化に繋がります。
そうした状況を防ぐため毎年秋から冬にかけて(乾燥した期間)、岩に無害な紫外線を照射して仏体表面に生えた地衣類を枯死させ、手作業で除去する、という保存作業を行っているわけです。

 具体的には、以下の6つの行程で進められます。

 事前除去
岩肌のシダや苔を手作業で除去し、紫外線が届き易い環境を作る

②紫外線照射(1回目)1週間紫外線を照射し、表面の着生物を枯死させる

③中間除去
粉々に枯れた着生物を筆や刷毛を用いて丁寧に除去する

④紫外線照射(2回目)
再び紫外線を1週間照射し、仏体のさらに深い部分の着生物を枯死させる

⑤本除去
④で枯死させた部分を除去する。仏体表面に直接抵触する部分であり、最も神経を使う作業となる

⑥撥水処理
着生物の生殖を遅らせるため、土壌化した部分に撥水剤を散布する

 さて、現場公開日は普段は入ることのできない柵の中に入って観察することができます。近くから頭の上や側面といった通常見えない場所を見ることができますよ。
昨年度は古園石仏群、向かって左半分を作業しましたが、今年度は右半分の仏様となります。違いを比べてみると、どれだけ着生が進むのか観察できますね。

みなさま、ぜひこの機会に文化財保存の現場に立ち会い、緊張感を肌で感じてみませんか?

昨年度の着生物除去作業

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