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11/20(土)「紫外線照射・保存作業現場公開&臼杵っこガイド」のお知らせ

昨年の現場公開の様子

昨年の現場公開の様子

下記日程で、「紫外線照射・保存作業現場公開」を行います。併せて、臼杵っこガイドによる石仏案内も各群にて開催いたします。

日時:令和3年11月20日(土)、10~12時
場所:ホキ石仏第2群

臼杵石仏では国宝臼杵磨崖仏をより良い状態で後世に残すため、定期的に保存作業を行っています。実際に現場を観ていただくことで、文化財の保護に関心を持っていただければ幸いです。

臼杵石仏は、約9万年前の阿蘇山噴火による火砕流が冷え固められてできた「阿蘇溶結凝灰岩」という地層に彫られています。
この地層は水分を多く含むため、仏体の表面は常に苔やシダなどの植物が生え易い状況にさらされています。
これらは、彫刻の表面を傷め、放置しておくと仏体を欠損させてしまうおそれがあります。
そこで、毎年秋から冬にかけての乾燥した時期に、紫外線を照射し、付着した植物を枯死させ、除去する作業を行っています。

作業は、以下の6段階に分けて実施されます。今回、公開されるのは、「③中間除去」作業です。

①事前除去
岩肌の着生物(苔やシダ)を手作業で取り除き、紫外線が届きやすい状態を作ります。
②紫外線照射1回目
紫外線を約1週間照射し、仏像表面の着生物を枯死させます。
③中間除去
表面の枯れて粉々になった着生物を筆や竹串を使って丁寧に取り除きます。
④紫外線照射2回目
再び約1週間紫外線を照射し、深い部分の着生物を枯死させます。
⑤本除去
深い部分の着生物を1回目と同じように丁寧に取り除きます。この部分は特にもろい状態にあるため、より慎重な作業となります。
⑥撥水処理
着生物の生殖を遅らせるため、土壌化した部分に撥水剤を塗り込みます。

この技術は、臼杵石仏で開発され、国内でもここでしか施工されていない特殊な方法です。

当日は、普段は入ることのできない柵の中に入っての見学となります。頭の上や岩肌に接した背面を見ることで、岩に彫り込まれていることが実感できますよ。

当日は、臼杵市内の小中学生による案内「臼杵っこガイド」も開催されます。
みなさま、ぜひこの機会に文化財の保存作業現場に立ち会ってみませんか?

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