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国宝臼杵石仏公式ブログ

気温の変化に上気する仏様と冷静な愛の仏様&柵の外にも供養塔

気温の変化に敏感なホキ石仏第1群第2龕の如来様方

気温の変化に敏感なホキ石仏第1群第2龕の如来様方

 このところの寒波が緩み、石仏は暖かな曇り空が広がっています。
気温と湿度が急に上がると、石仏の元々の色がよく浮かび上がります。

気温の変化に岩肌は敏感です。
ホキ石仏第1群第2龕の如来様方がとりわけ鮮やかに見えました。

バレンタインデーも近いことから、「愛染明王」様が色付いてを期待したのですが、こちらは普段とあまり変わりません。

ちょっとくらいの温度変化には反応しません~愛染明王さま

ちょっとくらいの温度変化には反応しません~愛染明王さま

場所によって、発色の条件が異なるのでしょうね。

 さて、「愛染明王」坐像は、蓮の台座に座り弓と矢を持っています。
このことから、愛のキューピットと言われるのですが、この矢の行く手は「自分自身の心」なのです。「誰かのハート」ではなく。
煩悩の中でも最も厄介な「愛欲」。
溺れてしまうと、本来精進すべき事柄がおろそかになってしまい、人生を踏み外してしまうかもしれません。
そうならない為にも、恋をしたら愛染明王さまに一矢放ってもらいましょう!
本当は厳しい愛の仏様「愛染明王」。
ちょっと気温が上がってくらいでは、冷静さを失わないわけです。

 

さて、ホキ石仏第1群の柵の外には、岩に刻まれた供養塔がひっそりと並んでいます。
こちらは気温に少し反応しているようで、今日はくっきり見えます。

仏像のようにも五輪塔のようにも見える供養塔。
制作年代は、4龕の地蔵十王像と同じ鎌倉期と考えられています。

柵の外にひっそりと刻まれた供養塔

柵の外にひっそりと刻まれた供養塔

 

いろいろな仏様に注目して歩くと、石仏散策も一色濃い時間が過ごせそうですよ。

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