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国宝臼杵石仏公式ブログ

6月の暖かな雨に染まる石仏~ベンガラは力強い大地の色

 梅雨空が続く週末。
先日の夕方、シャッターを閉める際に暖色に染まる各群に、見惚れてしまったのですが。

 今朝はまた、雲間から刺す薄い日陽射しに、鮮やかさが際立って見えました。

 湿度と気温の高いこの時期は、仏体の色がよく発色します。
元々、石仏には5色(黒・白・赤・黄・緑)の色が施されていました。
中でも、赤はこの土地から採れる酸化鉄であるベンガラで、独特の風合いを石仏に与えているようです。

力強く仄暗い赤色。

ベンガラは世界最古の顔料であり、日本では土器の彩色や魔除けのため古墳に使われてきました。臼杵石仏でも魔除けの役割りを担っているのでしょうか?
防腐作用もあるので、石仏を守ってくれる頼もしい赤でもあります。

 語源はベンガル地方といいますから、仏教伝来には教えと共に仏教美術も含まれることに改めて気付かされます。

 そんなことを考えながら歩く梅雨の参道は、味わい深いものです。
みなさま、雨の週末、鮮やかな石仏を見て歩きませんか?

 

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