暖かな雨に浮かび上がる「梵字」は、もう一つの仏さま
季節外れの暖かな雨が降っています。
参道も石仏群もしっとり濡れて、一色濃い一日を迎えています。
気温と湿度がちょうどいい具合に高い日は、仏体がよく発色し、一部の仏様の頭上に梵字が浮かび上がります。
その一つである、古園石仏群向かって左端から3体目の「勢至菩薩」さま。光背の尖った部分の下に、梵字のバンという文字が浮かんで見えます。
いつもあるのですが、こういった天候の日は見易いのです。本来なら全ての仏様の頭上にあった梵字。
梵字は仏さまそのものを現すとされています。そう考えると、この緩やかなカーブで描かれた文字が心に有り難く染みわたるように見えます。
梵字ではありませんが、ホキ石仏第1群第3龕の如来様方も、とっても鮮やかに染まっています。中尊は「大日如来様」。こんな日は、「全ての命あるものは大日如来から生まれた」という考え方が思い起こされるものです。様々な命の力が満ちているような。
みなさま、タイミングを見計らって梵字日和に一度見に来てみませんか?