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国宝臼杵石仏公式ブログ

山王山、阿弥陀如来様の赤い光背

 6月らしく岩肌もしっとりと黒味をおびた石仏。
本日は、山王山がほの暗く落ち着いた風合いです。
まるで、お堂の中のようです。

 向かって左、阿弥陀如来様の光背が赤く浮かび上がり、目を惹かれました。いつもはそれほど目立たないのですが。

光背の赤いラインが目立つ阿弥陀如来様

光背の赤いラインが目立つ阿弥陀如来様

 向かって右の薬師如来様に比べても濃い色です。

薬師如来様は一色薄い光背

薬師如来様は一色薄い光背

インパクトのある光背は、明王様や天部像に多いのですが、燃え上がる炎を描いているそうです。煩悩を払う憤怒の力ですね。

 

一方、如来様の光背は光を表すそうです。悟りの象徴という、ご加護に預かりたい・有り難い光です。

船の形に見えるので、舟形光背と言われますが、実は蓮の花を表しているそう。言われてみるとそうかな?

 臼杵石仏の色の中で赤は、鉄から採れる「ベンガラ」を使用したものです。仏教では、赤は魔除けを表すとされます。この地を永久に護るよう、そんな歴史を感じさせる素朴で力強い赤。

阿弥陀如来様を包む赤いラインも、岩に染み込んだ人々の長年の祈りのように感じれます。こんな雨の日には。

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