阿弥陀如来に文字?
先日、ホキ石仏第2群第1龕で保存作業現場が公開されました。
今回は、2回目の紫外線照射によって枯らした着生物を取り除く「本除去」という作業を見ていただきました。
黒い部分を刷毛で少しづつ払っている様子がこの作業です。
数分間じっと見ていると、黒い焦げた部分の色が僅かながら薄くなっていくのが、分かるような、そんな実に細かい作業でした。
さて、柵の中から間近で観察することで、普段は見えない細かい模様も見えてくるものです。
阿弥陀如来さまの向かって右胸辺りに文字が刻まれているのですが、見えますか?
青く囲んだ部分です。
江戸時代に修復作業に関わった人物が痕跡を残したのではないか、とされています。
3行確認でき、六十六という字が確認できます。
どんな意味を込められているのでしょうね?
苔を取り払うのですら、これほど慎重さを要する現在、文字を刻むなんて考えられない発想です。
しかし、保存作業の場でこの事実が着目されるということがまた面白いものです。
みなさま、機会がありましたら阿弥陀様に隠された六十六、ご覧になってみませんか?