釈迦如来めぐり~人間味のある仏様
仏様の中でも、唯一実在の人物をモデルとするのが釈迦如来。
インドの小国シャカ族の王子で、結婚し子供もいたというのだから仏様とはいえ、何とも人間味が感じられます。
そのお釈迦様が出家して悟りを開いた姿が「釈迦如来」。
臼杵石仏にも数体の釈迦如来像が彫られています。
その中心となるのが、ホキ石仏第1群。
1龕の釈迦如来像は、顔の欠損が最も顕著なのですが、バランスの良い端正な顔立ちをしているように見えます。落ち着きのある表情を眺めると、心も静まっていくようです。
2龕の釈迦如来像は、向かって右。中尊の阿弥陀様が目を惹くので、今回は敢えて見ないに右に立ち釈迦如来に向かい合ってみました。少し頭を傾げ、諭すような目元を見ると、人間の苦悩や喜びを理解しているかのように感じられます。
3龕も向かって右が釈迦如来像。
こちらは、小さな体ですが凛とした印象を受けます。
円らな瞳?と目線がすぐに合うのも嬉しいところです。
山王山石仏の釈迦如来像は、なかなか人気のある仏様です。
邪気のないお顔は、子どもの表情のようだ、と親しみを感じられる方も多いようです。
現実に生きて修行したことから「現世仏」とされる釈迦如来。
そう考えると、4体の釈迦如来像、それぞれに人間味が感じられ、味わい深く鑑賞できるものです。