今日は今日の金剛力士立像
霜が降り、白い朝を迎えた深田の里。鯉も寒そう。
参道には、12月らしく南天の赤い実がたわわに実ってきました。
岩肌を眺めながら古園石仏群へと進んでいると、入口に立つ金剛力士立像がいつもより存在感を増して目に映ってくるものです。
さて、向かって右側の「吽像」の脇腹に、数本の筋が入っているのが分かりますか?
これは、何の模様か?、あばら骨か?、植物を除去した跡か?、等々、みなさんいろいろと想像されるようなのですが。
実はこの筋、水の浸食による跡なのだそうです。
10数年前、ちょうどこの位置に水が染み出し、岩肌が溶けた部分が凹んだため筋が入ったように見えるのです。
当初から意図して作られたものではなく、自然の力によって施された装飾なのですね。
屋外の岩肌というキャンバスに彫られた像ならではの現象。
これから、まだ変化していくのか?と考えると、目の前の姿も今日だけしか見られないもののようで、貴重な一風景に感じられます。
みなさま、臼杵石仏に来られた際には、その瞬間だけの「金剛力士立像」をぜひご覧ください。