描かれた阿弥陀如来様が繋いだ縁
ボランティアガイドさんから、お客様から届いた嬉しいお便りを見せてもらいました。
滋賀県からお越しの、仏像の油彩画を趣味とされる植村様。
ホキ石仏第2群の阿弥陀如来様を描いた作品の印刷物が同封されておりました。
臼杵石仏との出会いは、図書館でご覧になった写真集。その造形の美しさに惹かれ描かれたそうです。
写真撮影やスケッチを禁止するお寺が多いため、写真や印象で描くことが一般的なスタイルである仏像(臼杵石仏では、写真・スケッチ共に可)。
植村様も、写真と想像により何と1年もかけて臼杵石仏を描かれたそうです。
大きさ、縦117cm×横90cmという大作。
岩の風合いや阿弥陀様の表情を拝見すると、細部に至るまで様々な想いを巡らせながら描かれたことや、仏像に対する愛着の深さが伝わってきます。また、観る者に油彩画で見る仏像の良さを伝え、「想像」という鑑賞方法を発見させる興味深い作品です。
当作品は、滋賀県内の美術展で入賞されたそうです!現在は、京都市にある長圓寺に奉納されているそうで、大変有り難く感じております。
臼杵石仏は、京都から来た仏師が彫ったと云われております。約千年の時を経て、関西から訪れたお客様によって描かれ、京都のお寺に奉納されたという阿弥陀如来様。
仏教には、物事は全て影響を及ぼしながら成り立っている(諸法無我)、という考え方があります。この絵を眺めていると、仏様が作った一つの出会いが、人々の日常を豊かに繋いでいったことを感じ入るものです。
みなさま、絵や写真と通して、石仏と出会ってみませんか?