朱に燃える地蔵十王像〜ホキ石仏第1群第4龕
臼杵石仏の中で最も鮮やかな色彩を放つ地蔵十王像。
名前の通り、中央に地蔵菩薩・両脇に五体ずつ十王像が並んでいます。
ここは、その人間が死後、極楽浄土にいけるか・地獄へ落ちるかの裁判を司ると言われる場所です。
両脇の十王が裁判官、中央の地蔵菩薩が地獄に落ちようとする者を救う弁護士とされます。
さて、お姿を拝見すると、地蔵菩薩の肌は黒く閻魔大王のようです。
十王は、裁判官らしい服装と冠、手には笏という判決文が書かれた板片を持っています。
ちょっと離れて背景を眺めると、光背には枯草模様と7つの円が描かれ、何だかオリエンタルな雰囲気を漂わせます。
頭上の円には梵字が、その他6つの円には地蔵菩薩が入っています。
石仏の楽しみ方の一つに「発色した朱を見る」というものがあります。岩肌が静かに情熱をたたえているようで、抗いがたい魅力があるものです。
湿度の高い日がねらい目です。
煌々としたホキ1群を彷徨いながら、人生の裁き・・・いや、本日のわが身の在り方を反省してみるのはいかがでしょうか?
現在、保存作業中につき古園石仏群が見られなくなっております。大変ご迷惑をおかけしております。
他の石仏群も国宝指定された素晴らしい磨崖仏です。当ブログやフェイスブックでその魅力をご紹介しておりますので、違った角度からの石仏をお楽しみください。