蓮の開花時の音について
蓮の時期になると、
『花が開くときにはポンっと音がするんですよね!』
『花が開く時の音を聞きたいので、開花の時間を教えてください!』
というようなお問い合わせをたくさんいただきます。
蓮は、日の出とともにゆっくりと時間をかけて咲き始め、9時頃満開を迎え、午前中のうちにまたゆっくりと時間をかけてしぼみ、蕾へと戻ります。
それを3・4日繰り返したのち、最終日に蕾へ戻れなかった蓮が散っていって
ガクだけの状態になります。
花は早朝よりゆっくりゆっくり開きますので、『ポンっ』と音がするのはいつなのか気になるところです。
【正岡子規】
『朝風にぱくりぱくりと蓮開く』
『蓮開く音聞く人か朝まだき』
【石川啄木】
『静けき朝音たてて白き蓮花のさくきぬ』
【川端康成短編小説】
『朝ごとに上野の忍ばずの池では、蓮華の蕾が可憐な爆音を立てて花を開いた』
と、開花の音は、俳句や文学の世界でもおなじみの話のようですが、残念ながら石仏事務所のスタッフもそのような音は聞いたことがありません。
音が鳴るのか鳴らないのかという議論は、古くからされていたそうです。
かえるが池に飛び込む音や、蓮池に住む鯉が口をパクパクさせる音を聞き間違えた、さらには葉っぱに溜まった雫が池に落ちた音を勘違いした…
など音に関しては諸説あります。
遠く昔には、開花音を聞けば悟りが開ける、成仏できる等の言い伝えがあったそうなので、聞きたい!という願望から「蓮は開花の時に音がする」と言い伝えられてきたのかもしれません。
とはいっても、蓮の種類は食用のものやスイレンなどを合わせると100種類を超えるそうなので中には音を鳴らして咲く種類の蓮もあるかもしれませんね♪
音が鳴るのか鳴らないのか…
古くからの壮大な歴史ロマンです。
ロマンを持って石仏の蓮畑へお越しください。
臼杵石仏のホキ二群には蓮の花を持った仏様もいますので、もしかすると朝早く、その仏様が『ポンっ』という音が聞かせてくれるかもしれません♪
手前の仏様の顔の横に蓮を持っています。